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烏龍茶を飲みたい
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随分前、スパコミ前日に友人A(一人暮らし)の所に泊めてもらった。夜中、Aのコピー本の製本手伝いをしていた時、うっかり本にこぼしたりしら大変だからという理由で、作業している場所より少し離れた所の小テーブルに、2Lペットボトルの烏龍茶をコップと一緒に置いていた。(なので喉が乾いたらそこまで立って歩いて行ってその場で飲む)Aは修羅場続きの為、私は長旅のせいでお互いしゃべる元気もなく、ぼーっとしながら手だけは動いているみたいな感じで黙々と作業していた。 途中で喉が渇いて、でも作業を中断して飲みにいくのも面倒くさいなーと思いながら、斜め後ろに置いてある烏龍茶を横目でちらちら見ていたら、空中、としかいいようがない位置からいきなり真っ黒い手がにゅっと出てきて、ペットボトルを思いっきりなぎ払った。見たものとゴドッという音にびっくりしてそちらを見ると、テーブルからペットボトルが倒れて落ちていた。はあ?なんだ今の?え?手?なんで?と混乱。そしたらAが突然「スゴイ!私超能力者!」と叫んだ。?と思って聞くと、Aも私と同じように喉が渇いて、『でもあそこまで立って歩くの面倒くさい。あーお茶こっちに来ないかな。ひゅっと飛んで来ないかな……』と思いながらペットボトルを見ていたらしい。で、見ていたら本当にボトルがこっちにふっ飛んで来たと。私は私でまだ混乱中なのと、自分が見たものがいまいち信じられなくて、「はあ…そうだね…・・・」と気の抜けた返事しかできない。そんな私を見てAは、自分の言動に私が引いていると思ったらしく、「いや。ごめん。超能力とかそんな訳ないよね……」と急にもとのテンションに戻って謝った。その後は、ペットボトルはなんかのはずみで倒れたんだろう、ちょうど区切りもいいし、ちょっと休憩しようか、となって、いったん烏龍茶を飲んで休憩。作業を再開してコピー本は無事完成した。そういうことあったよなーあの時はっきり手が見えたよなあ、と今でもふとした時に思い出すんだけど、Aとは今ではもう疎遠で、その時のことは確かめようがない…そもそもAには手は見えてなかったようだし、手といっても、肉体的な立体感というか生々しさがない、影絵や切り絵のような感じの手だった。Aが自分で言っていたように超能力者だったのかな?烏龍茶飲みたさに目覚める超能力…
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