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古い小屋
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中編3分
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友人に聞いた話です。 友人が小学校の頃、 友人の友達(以下A)と近くの山で探検をしていると、 山の入口から20,30分程かかるところに小屋があるのを見つけた。 農具か何かをしまうような小さい木とトタンでできた小屋で、 相当古くかなり老朽化していて、 小屋の中はボロボロに朽ちたスノコのような木が土の上に敷いてあった。 それから友人とAはその小屋を秘密基地と呼び、 ほぼ毎日来るようになった。 ある日、小屋の中で友人とAが話していると、 異様な臭いがすることに気づいた。 どこから臭うのか、しばらく臭いの元を探していたが見つからず、 床を持ち上げて開けた瞬間に強烈な異臭を放ち、 下には黒い毛玉のようなものがあった。 友人が何これとしばらく固まっていると、 Aが木の棒でそれをつつきだした。 棒で毛玉をひっくり返してみると、 腐った猫の死体だった。 死んでから時間が経っているようで、 顔はギリギリ猫だったとわかる程度。 ひっくり返した瞬間にAが突然、 「ウギャーーー@#$&%****、アパパパパパアポゥ」 みたいにずっと叫びながら小屋を飛び出し、 友人も必死で追いかけたが、 普段そんなに足の早くないAに全く追いつけなかった。 Aはこけそうになりながらも一度も止まることなく、 山の出口まで駆け下りていってしまった。 友人は確かに初めて生き物の死体を見たのでびっくりしたが、 明らかにAの驚きようは異常だった。 友人が山を降りていくと、 出口でAが泣きながら座り込んでいた。 いくらなんでも大げさすぎると思い、 話を聞くためしばらく待っていると、 ようやくAは落ち着いてきた。 話を聞くと、毛玉の顔が猫の顔じゃなく 自分の頭だったと言い出した。 友人は意味が良くわからず、まさかそんな訳はない、 気のせいだと慰めながら、その日は家に帰った。 Aは猫の死体をずっと踏んでたから呪われたとか、 木でつついたりしてバチが当たったんだとか言っていた。 そしてとくに何もないまま数年たった。 高校生になり、夏休みにAは大工のバイトを始めた。 その工務店は昔、仕事中に事故があったらしく、 ヘルメットを支給されていたが、 夏場は暑すぎて着けてられないのでみんな外していた。 ところが、急にバイトの先輩がヘルメット着けろと言ってきた。 普段はそんなこと言われないし、 バイト始めた時はヘルメット着けてると暑苦しいから外せと言ってきた先輩なので、 あれ?と思いながらも着けて仕事をしていた。 昼休みになり、みんなで昼を食ってから飲み物を買いに行くために立ち上がると、 先輩がまたヘルメット着けていけと言い出した。 Aはいくらなんでもコンビニに着けていくのはおかしいと思い、 なんでですか?と尋ねたが、 「いいから着けていけ」 と。 不満に思いながらも先輩は怖いぐらい真剣で、 いつもは明るい人なので妙に気圧されて、 着けて行くことにした。 すぐ近くのコンビニに向かう途中で Aは交通事故にあった。 Aは車のフロントガラスに 頭から突っ込んでかなり重傷だったらしいが、 一命は取り留めた。 医者にヘルメット着けてなかったら 確実に死んでいたと言われたそうだ。 後日、先輩になぜヘルメットを着けろと言ったのか聞くと、 なぜか嫌な予感がしたらしく、 昔からそういう第六感?みたいなのが結構当たるから、 一応着けさせたけどあまり自信もなかったし、 言ったところで信じられる話じゃないと思って黙ってたらしい。 でも、コンビニに行くって立ち上がった時に 肩らへんにドス黒い塊みたいなモヤモヤが見えて確信したそうだ。 Aはその時全く気づかなかったらしいが、友人にその話をした時、 「黒い塊って・・・あの猫だよな」 Aは退院後すぐにお祓いを受けたみたいです。 それからはとくになにもなく元気に生きてます。 友人はその話聞いたとき、怖さと、 それに気づかなかったAの馬鹿さに 本気で腰が抜けそうになったそうです。 あと、ちょっと分かりやすく盛ったけど、 話自体はだいたい聞いたままです。
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