怖い話登録数17326話
目にやさしいダークモード
481
12
0
長編6分
あとで読む
Amazonバグ?w普通の漫画がタダで読めるんだけどwww
Amazonで漫画がマジで0円になってる。今のうちに手にいれとけ。読むのはいつでもいい
詳細はこちら
コピー
「骨董品の蒐集」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
投稿する
自分の親父と骨董の話を書きます。 親父は紡績の工場を経営していましたが、 何を思ったか50歳のときにすっぱりとやめてしまい、 経営権から何から一切を売り払ってしまいました。 これは当時で十億近い金になり、 親父は 「生活には孫の代まで困らんから、 これから好きなことをやらせてもらう」 と言い出しました。 しかしそれまで仕事一筋だった父ですから、 急に趣味に生きようと思っても、 これといってやりたいことも見つからず、 途方に暮れた感じでした。 あれこれ手を出しても長続きせず、 最後に残ったのが骨董品の蒐集でした。 最初は小さな物から買い始めました。 ありがちなぐい呑みや煙草の根付けなどです。 「初めから高額の物を買ったりして、 騙されちゃいかんからな。 小遣い程度でやるよ」 と言って、 骨董市で赤いサンゴ玉がいくつか付いた根付けを買ってきました。 「何となく見ていてぴーんとひらめいたんだよ。 このサンゴ玉は元々はかんざしに付いていたのかもしれないね」 などと言って、 書斎に準備した大きなガラスケースに 綿に乗せて置きました。 これが我が家の異変の始まりです。 まず親父になついていたはずの飼い猫が 書斎に入らなくなりました。 親父が抱き上げて連れて行っても すぐに逃げ出してしまうのです。 さらに家の中の物がなんだか腐りやすくなりました。 梅雨時でもないのに食パンなどは買ってすぐに 黴に覆われてしまったりして、 台所は常に饐えた臭いがするようになりました。 それから家には小さいながら庭もあったのですが、 全体的に植木の元気がなくなり、 中には立ち枯れるものも出始めました。 また屋根の上の一ヶ所につねに黒い煙いのようなものが溜まり、 何人もの通行人に火事ではないかと言われたりもしました。 しかしはしごをかけて屋根に上ってみても そこには何もないのです。 その頃、親父は 時宝堂という骨董屋の主人と親しくなりました。 その人は小柄な老人で、 親父が金があると目をつけたのか、 ちょくちょく家に尋ねてくるようになったのです。 ある日、親父は家族に向かって、 「この間から、家の中がちょっと変だったろう。 どうもあのサンゴの根付けが原因らしい。 時宝堂さんから聞いたんだが、 ああいうものはお女郎さんの恨みがこもってるかもしれないってね。 だが、そういうのを打ち消す方法もあるって話だ。 それでこれを買うことにしたよ」 と言って、 一幅の掛け軸を見せました。 それはよくある寒山拾得(中国唐代の2人の禅僧)を描いた中国製で、 それほど高い物には思えませんでした。 そしてそれは和室の床の間に飾られることになりました。 掛け軸が来てから 家の中の異変はいったん収まったようでした。 相変わらず猫は書斎へは入らないものの、 植木は元気を取り戻し、 物が腐りやすいということもなくなったのです。 親父は、 「古い物はほとんどが人間の一生以上の歴史を持っていて、 中には悪い気を溜め込んでしまっている物もある。 そういうのの調和を取るのが骨董の醍醐味だと、 時宝堂さんから聞いたよ」 と悦に入っていました。 ある日のことです。 当時自分は中学生でしたので 和室に入る用などめったになかったのですが、 たまたま家族が留守の時、 学校で応援に使ううちわが和室の欄間に挿されていたのを思い出して、 取りに行ったのです。 すると家の中には誰もいないはずなのに、 なぜか人の話し声が聞こえてきます。 ごく小さな声ですが和室の中からです。 ふすまの前で聞いているとこんな感じです。 「…これで収まったと思うなら浅はかな…」 「ただ臭いものに蓋をしたにすぎないだろ… 今にもっとヒドイことが…」 どうも二人の人物が会話をしているようです。 コミカルな声調だったのであまり怖いとも思わず、 一気にふすまを開けて見ました。 しかし当然ながら そこには誰もいませんでした。 ただ床の間の絵を見たときに、 なんだか2人の僧の立っている位置が 前とは違っている気がしました。 そしてそれから2、3日後、 夜中に家に小型トラックが突っ込んでくるという事故が起きたのです。 塀と玄関の一部を壊しましたが、 幸い家族にケガ人はありませんでした。 親父はこの事故のことでずいぶんと考え込んでいましたが、 それからはますます骨董買いに拍車がかかりました。 古めかしい香炉、 室町時代といわれる脇差、 大正時代のガラス器などなど。 そしてそのたびに家に変事が起こり、また収まり、 そしてもっとヒドイことが発生するといったくり返しになりました。 骨董に遣ったお金も そうとうな額にのぼったと思います。 「あっちを収めればこっちの障りが出てくる、 考えなきゃいけないことが十も二十もある。 こらたまらんな」 親父はノイローゼのようになっていました。 そして今にして思えば骨董蒐集の最後になったのが、 江戸時代の幽霊画でした。 これはずいぶん高価なものだったはずです。 それは白装束の足のない女の幽霊が 柳の木の下に浮かんでいる絵柄で、 高名な画家の弟子が描いたものだろうということでした。 親父は、 「この絵はお前たちは不気味に思うかもしれんが、 実に力を持った絵だよ。 この家の運気を高めてくれる」 と言っていました。 そしてその絵が家に来た晩から、 小学校低学年の妹がうなされるようになったのです。 妹は両親と一緒に寝室で寝ていたのですが、 決まって夜中の2時過ぎになると ひーっと叫んで飛び起きます。 そして聞いたこともない異国の言葉のようなものを発し、 両親に揺さぶられて我に返るのです。 もちろん病院に連れて行きましたが、 何の異常も認められないとのことでした。 家の者はまた骨董のせいではないかと疑っていましたが、 それを親父に言い出すことはできませんでした。 時宝堂が来ていたときに親父がこの話をしたら、 「おお、それはいよいよ生まれるのですな」 と意味不明のことを言っていたそうです。 そしてその日の夜のことです。 やはり2時過ぎ、 妹はうなされていたのが白目をむいて立ち上がり、 「がっ、がっ、あらほれそんがや~」 というような言葉とともに、 大人の拳ほどの白い透明感のある石を、 大量のよだれとともに口から吐き出しました。 次の日、時宝堂が来て、 その白い石をかなり高額で買っていったそうです。 親父はこのことを契機に時宝堂とのつき合いを断ち、 骨董の蒐集もすっぱりやめてしまいました。 「家族には迷惑をかけられないからな。 みんなの健康が何よりだよ。 これからは庭いじりでもやることにする」 そして我が家の異変は完全に収まったのです。 ・ちょっと怖い話1 フォロワーさんのひとこと体験談
この話は怖かったですか?
怖かった12
ツイートする
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
朗読つきの怖い話ランダム
双眼鏡見たもの
怪の談り -カイノカタリ-
手すり女
逢魔ゆみにむ
タイトルの無いビデオ
めたんの怖い話紹介ch
山での挨拶
釜トンネル
左右にグネグネ歪む
G級戦犯
オカルトまとめ速報
まとめサイトのまとめ速報
ひっそりと話題になってる心霊系の本
訳アリ心霊マンション 1巻【電子特典付き】 (バンチコミックス)
訳アリ心霊マンション 2巻 (バンチコミックス)
日本全国 魔界と心霊が棲む「最恐の禁所」
女たちの心霊サスペンスVol.5 ~猫怪談~
あかりとシロの心霊夜話 10巻
西洋人形奇談 緒方克巳心霊ファイル (MBコミックス)
心霊物件に住んじゃった (本当にあった笑える話)
スピリットカルテ 病院内メッセンジャー・梨香子の心霊考察(分冊版) 【第3話】 (comicタント)
前の話:【洒落怖】遮断機も無い小さな踏切
次の話:【洒落怖】大きな石に山水をひいた手水鉢
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
怖い話 No.18273
【洒落怖】やたら周囲を警戒するようになった
438
5
短編2分
怖い話 No.537
【洒落怖】おかしな運転手
603
11
中編3分
怖い話 No.7981
【洒落怖】首なし地蔵
1599
17
1
長編8分
怖い話 No.19046
【じわ怖】最も古い記憶
653
9
怖い話 No.10731
【ほん怖】託児され続け
332
短編1分
怖い話 No.22119
【意味怖】手紙
158
怖い話 No.6222
【意味怖】亡くなった妹
581
怖い話 No.9772
【洒落怖】夜警
911
怖い話 No.7383
【洒落怖】天井裏の子供
425
3
長編5分
怖い話 No.16771
【意味怖】おにいちゃん
555
14
怖い話 No.1860
【洒落怖】リアル貞子
547
2
怖い話 No.9591
【洒落怖】仇討ち地蔵
298
怖い話 No.17970
【洒落怖】真ん中で寝なさい
722
怖い話 No.5643
【じわ怖】子宮がんで入院した
296
4
怖い話 No.19472
【意味怖】カレーをつくった
190
25
怖い話 No.13523
【じわ怖】救急病院
525
怖い話 No.13292
【じわ怖】キレイな袋
236
怖い話 No.2856
【洒落怖】縁起の悪い道沿い
383
怖い話 No.2102
【洒落怖】モニター
469
怖い話 No.2491
【洒落怖】ウサギの耳
596
8
新着洒落怖
恐ろしい漏電
全身タイツ
サリョ
大きな木
案山子の神様
変化する遺影
木彫りの大黒様
安っぽい人形
肩凝り
トウモロコシ
自首した理由
拾った石
新着コメント
ホームと電車の隙間
ある殺人者の話
おふだのいたずら
寝台車
親父の飯
老婆の顔
怪しいバイト
ノコギリ