【洒落怖】没落した理由

  • 小学校高学年までうちは貧乏な田舎の家だと思ってたら、
    実は庄屋の家系で俺が産まれたのを境に没落したらしい。

    当時たまに偉そうに訪ねてくる爺さん(祖父の弟=大叔父)とこは、
    逆にそれくらいから一気に裕福になって、
    自分が本家のように振舞っていたんだと。

    そこに大叔父の孫でAってのがいた。

    これがまた嫌な奴で、
    金持ちを鼻にかけて
    さんざん俺と弟妹を見下してた。

    このAと俺の名前はよく似てる。


    実は俺の出生時に
    大叔父が強引にその名前にしたんだとか。

    曰く本家の長男にふさわしい名前、
    Aの名前とあわせて高名な占い師に用意してもらった、
    俺はアニキ(祖父・故人)の弟だぞ、などなど…

    田舎で血筋に五月蝿いとこだったんで、
    大叔父の言い分が通っちゃった結果が今の名前だったらしい。

    ところがそれを境に両家の経済状況が逆転、
    俺とAが物心つく頃には
    親父世代の頃までと力関係が逆になってた。

    さすがに何人かの親戚はこの急変を疑ったんだが、
    何の証拠もないからどうしようもない。

    両家の状況が再度動く直前、
    大叔父は援助と称して金をちらつかせて
    累代の土地を買い取ろうとしてたらしい。

    無駄に長ったらしいがここまで前提。

    さて小学校高学年になった頃、
    Aがうちの裏山にある小さなお社を火遊びで焼いてしまった。

    そこは一族の守り神様を祀ってた社、
    当然Aに非難集中罰が当たるぞという親戚もいた。

    ところが大叔父は落ち着いたもので、

    「大丈夫、Aは守られてるからなにもならん」

    と言い切った。

    そしてその晩から、
    俺が原因不明の高熱を出して
    生死の境をさまようことになる。

    医者も原因は分からんし、
    元から病弱気味だったんで
    こりゃ助からんかもしれん的な話にまで発展してたとか。

    で、どうしようもなくなった俺の母が頼ったのが実家。

    完全にスレチな理由で出禁というか
    絶縁同然だった実家に連絡を取り、
    父親(爺さん)に泣きついた。

    爺さんはそもそも俺以下兄妹の顔すら見たことがない人だったが、
    孫の一大事と、ある友人を伴って血相変えて駆け込んできたらしい。

    無理矢理母実家と絶縁させたのは父方の祖母や大叔父だったが、
    意地を張ってる場合じゃないと
    祖母が両手をついて協力を要請。

    で、寝込んでる俺を見た爺ちゃんとその友人は、

    「なんでここに人形が寝とるんだ、
    俺くんはどこだ」

    と言い出したらしい。

    人形もなにもそこに寝てるのは爺ちゃんの孫(俺)よ、
    なに言ってるのと押し問答になっている間、

    家の中を見渡してた祖父友人が、

    「どうして運気が溜まるところに穴を開けてるんだ。
    どっかに運気を盗まれとるぞ」

    と言い出して、
    神棚の榊を家のあちこちに置き始めた。

    そうやってるうちに爺ちゃん達にも俺が見えたらしく、
    今度は

    「俺くんも穴にされとるじゃないか、
    何やっとんじゃ!」

    と、大慌てで塩をかけたり
    縄で囲んだりされてたらしい。

    そしたら一気に快方に向かい、
    俺は一命を取り留めた。

    俺の容態が落ち着いて一時間くらい経った頃、
    今度は大叔父とA父が血相変えて飛び込んできたらしい。

    「Aが血を吐いて倒れた!
    一体どう言うことだ!」

    と、俺両親以下全員ポカン。

    それで祖父友人がピンときたらしい、

    「お前等この家の運気盗んで
    俺くんをAの身代わりにしたな?」

    と。

    今まで本家筋男最年長だからと、
    ある程度大叔父を立てていた祖母にも理解がいったらしく大激怒。

    息子殺されかけた俺の父もブチ切れモードに。

    全員に問い詰められ渋々白状したところによると、
    たまたまAと俺が近い時期に生まれる状況になったんで、
    これを機に本家を他所者(祖母)から取り返そうと思い立つ。

    で、知り合いの占い師に頼み込み、
    Aに俺の運気や才能を流し込んでもらうような縁を作った。

    強引に付けた同じような名前は
    その為だったらしい。

    そして頻繁に俺の家を訪れつつ、
    家自体が持ってる運気も
    自分の家に流すよう細工してたらしかった。

    それが現実に可能な事だったかは知らないが、
    両家の状況や俺とAの立ち位置が
    大叔父の望み通りになって行ったという話。

    結局Aは倒れて昏睡状態になり、
    うわ言で

    「熱い熱いゴメンナサイ」

    と繰り返しながら衰弱して死んだ。

    大叔父は大成功のからくりはバレるわ、
    その手段は潰されるわ、
    跡取りと思い定めたAは死ぬわで踏んだり蹴ったりだが、
    稼いだ財産自体は残ったんで
    それなりに豊かな老後、一族内での信用は絶無だが。

    ちなみに9X歳現在まだ存命で、
    まだマジにうちの家と土地を狙ってる。

    終始空気だったA父は、
    大叔父からAの慰謝料とか言って会社とか奪ったから
    事業失敗しても助けてもらえず、
    その後の消息は知らん。

    俺の家はそれから持ち直し、
    俺も当時の両親くらいの年になったんだが、
    最近大叔父が結婚しろ子供を作れと五月蝿い。

    前科があるから、
    もし子供が産まれてもこの人だけは関わらせないようにしないと、
    とは思ってる。

    まあそれ以前に嫁どころか
    仕事が恋人状態だが。

    ネタのようだが実話。

    でも肝心の部分はほぼ寝込んでるんで、
    伝聞と推測による補完がだいぶ混じってる。

  • ツイートする

  • この話は怖かったですか?

    怖かった0

  • コメント

  • コメントはまだ投稿されていません
      没落した理由 についての感想や真相の解明など自由にコメントしていってください。お待ちしております。
    • 名前(省略可):
    • 本文:

    • 半角文字列だけの入力はできません。
  • この話を読んだ人はこちらも読んでいます

New

新着コメント