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玄関の前に大きな石が置いてあった
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俺の幼い頃の体験なんだけど、 昔住んでいた田舎の家の前が凄い登り坂でさ。 その坂の途中に、 昔は大地主だったという横○さんて人の豪邸ていうか旧家があったんだ。 その庭がまた広いんだけど、 玄関の前に庭石だろうけど直径2m位の大きな石が置いてあった。 ある日の夜の事、 俺は(幼稚園入園前の幼児)は母親に手を引かれ、 多分買い物だったろう。 当時は街灯も無く真っ暗な坂を登ったんだ。 そして横○さんの家の前を通る時、 門からその石が見えたんだ。 当時は幼かったので妙だとか恐いとかは感じなかったが、 その石は真っ白く発光してた。 月夜ではなかったと思う。 辺りは真っ暗なのに石だけが光ってたんだ。 そして腕?っていうか、違うな。 ひれみたいに平たい箇所を振り上げて、 体(石体?)に打ちつけていたんだ。 その時にポーンていう甲高い音がするんだけど、 2~3回繰返してたかな。 俺はこれを母に告げて、 あれ何?って指差すんだけど、 母は知ってか知らずか何も喋らず、 俺の手を引きながらその場所を通りすぎたんだ。 母の表情は暗くて判らなかった。 その後、間もなく引越したので、 その場所を通る機会は無くなったけど、 最近、機会があってその場所を通ったんだ。 だけどその坂は無くなって平坦な道になり、 そのすぐ先の高架橋を立派な道路が横切って走り、 横○さんの家も今風の建物に建て替えられて、 当時の面影は全然残っていなかったな。 今でも時々思い出すんだ。 あれは一体何だったのだろうかと。
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