怖い話登録数16081話
目にやさしいダークモード
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長編5分
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かなりまえのことだけど、 夏休みに高校の仲間である島の民宿に泊まったんだ。 夕食を食べて砂浜から投げ釣り。 仕掛けを入れたら火を焚いて無駄話、 最初は女の話とか... 火なんか焚いてにぎやかにやってちゃ魚なんか釣れない。 そのうち自然と怖い話大会になってきた。 なぜかっていうと仲間の一人、 U君がすごい怖がりで、 怖い話するとマジで怖がるから面白い。 その夜もU君は、 「夜釣りは怖いけど、部屋に一人でいるのが怖いから」 一緒に砂浜に来てたらしい。 怖い話大会になってしばらくの間、 U君は 「よせよー。そんなの怖いじゃん」 とか茶々入れてて、 みんなもそれを面白がってたんだけど、 そのうち怖い話が妙に盛り上がってきて (漁師の息子が聞かせてくれた話とかホント怖かった)、 みんないつの間にかU君の事を気にしなくなった。 妙に盛り上がって怖い話を続けるうちに変な感じがしてきた。 焚き火は勢いよく燃えてるのに、 何だか妙に寒いんだよ。 時計をみたら未だ11時過ぎ、 ビール飲んでたけど小便したい訳でもない。 それとなくみんなの様子をうかがうと、 みんなも腕とか脚とか、さすりながら話を聞いてる。 オレだけじゃないんだって思ったときに、 変な声が聞こえてきたんだよ。 最初は何て言ってるのか判らないし、 誰の声かも判らない。 話を中断してみんな顔を見合わせたら... 声の主はU君だった。 祈るように指を組んで、 下向いて何かブツブツ言ってる。 みんなシーンとして聞いてると、 切れ切れに 「呼んでる...」とか、 「あそこ...ここにも ふたり さん..に...ん」 とか聞こえてくる。 まずいと思ってU君に声をかけようとしたら、 それより早く漁師の息子のAがU君の肩をつかんで、 「おいU、U!聞くな!返事もするな!」 って怒鳴った。 だけどU君はすっと立ち上がると真っ暗な海の方向を指さして、 「あそこか...あそこで呼んでるのか...」 とつぶやきながら、 焚き火を踏み越えて海へ向かってヨロヨロ歩き出した。 一瞬呆気にとられて、 ボーッとU君の後ろ姿を見てたけど、 すぐにみんなU君を追いかけた。 波打ち際までほんの十数歩の距離だ。 オレ達はすぐにU君に追いついた。 最初オレが後ろからU君の腕をつかんで止めようとしたんだ。 (この頃には正直みんなビビッて声も出なくなってた) でもU君はオレの腕を軽々と振り払った。 U君はやせててオレより背が低いのに、 すごい力だった。 漁師の息子のAは野球部OBのKと二人でU君の腰に飛びついた。 U君は一度ヒザをついたが... すぐに立ち上がって、 AとKの二人をひきずりながら(!)また歩き出した。 波打ち際までもう数歩、 U君の靴は濡れた砂に沈みはじめてる。 オレはどうしたらいいかわからなくなって、 ふとU君の顔を見た。 ...笑ってた。 いま思い出しても寒気がする何とも言えない笑顔だ。 その時、オレは打ち寄せる波の音に混じって妙な音を聞いた。 女のひとの悲鳴のような、男のひとのうなり声のような。 それは次第に大きく聞こえてくる。 すーっと引きこまれるように音のする方に顔を向けようとしたら、 額の内側で何かが弾けて耳の中で大きな声がした。 「見るな!」 あんまり大きな声で、 耳がキーンとなってすごく痛い。 オレは我に返って思い切り怒鳴った。 「持ち上げろ!」 AとKが暴れるU君を担ぎ上げ、 みんなで民宿まで走った。 後ろから何かが追いかけてくる気がして怖くてたまらないし、 すぐ近くのはずの民宿が何故かやたらに遠い。 部屋でU君に布団をかけてみんなで押さえつけた。 しばらくするとU君はぐったりして眠ってしまったけど、 オレ達は全然眠れない。 並んで座ってひたすら朝を待った。 ようやく日が昇り、あたりが明るくなった。 昼過ぎには宿を出発しなきゃならない。 各自荷物をまとめたけど、 問題は砂浜に置いてきた釣り具とクーラーボックスだ。 よっぽどそのまま置いていこうかとも思ったが、 忘れ物だと思われたりしたら民宿のおばさん達に迷惑かけちまう。 熟睡してるU君をK達に任せて、 オレとAは二人で浜辺にでかけた。 二人とも黙って焚き火の残り火を始末し、 クーラーボックスの氷と水を捨てて釣り具を片づけた。 民宿への帰り道、不意にAが口を開いた。 「昨夜は助かったよ。 Uを止めようとしたとき、海から変な声が聞こえてさ」 「お前が怒鳴らなかったらオレ、どうしていいかわからなかった」 黙っていた方が良いのか迷ったけど、 オレもAに言った。 「それ、オレにも聞こえたよ」 「海の方見ようとしたら、 耳の中で見るなって声がしてそれで...」 「そうか...」 って言うとAはちょっと少し黙ったが、 民宿が見えてくると 「声の話、K達には黙っていような。」 と言い、 オレが黙って頷くと、 Aはオレの肩を軽く叩いて少し笑った。 民宿へ戻って部屋へ入るとU君はもう起きていて、 荷物をまとめていたけど別に普段と変わった様子はない。 目を覚ました後、 Kが 「昨夜の事憶えてるか?」 って聞いたら、 「オレ何時頃寝たんだろ。 お前が部屋まで連れてきてくれたのか?」 って言ったらしい。 どうやら怖い話の途中から全然憶えていないようだった。 帰りの車の中でもU君は一人元気にはしゃいでいたが、 オレ達は、眠いし話題が昨夜のことにならないように気を使うしでえらく疲れた。 家に帰ってからしばらくは部屋で一人で寝るのが怖かったし、 夜中にトイレ行きたくなって目覚ましたりしたら、もう最悪だった。 でももう何年も前のことで、 あの夜のこともいつのまにか忘れてた。 たまたまあの出来事をはっきり思い出したけど。 これでオレの話はおしまい。 思い出したことを全部書いたらなんだかスッキリした。 今晩からは良く眠れそうだ。 (あの晩Aから聞いた話はハッキリ思い出してから、気が向いたら書かせてもらうよ。)
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