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【意味怖】山登りに来た客

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  • 山で迷った俺は、夜遅くに一軒の民家にたどりついた
    戸を叩き「今晩泊めて下さい」と頼むと
    一人の老婆が出て来て快く招き入れてくれた
    晩飯をご馳走になってると襖の閉まっている部屋からゴトっと物音がした
    隣に誰か居るんですか?と尋ねると、
    俺と同じ山登りに来た客だと言う
    先刻ご飯も食べ終わって、疲れたので先に休んでるんだそうだ
    すると突然老婆が俺に聞いてきた
    「お肉とお野菜どっちが好きかえ?」
    「え?」
    質問の意味が理解できず、答えに困った
    「急に来られたから今晩は良いものを用意できなくてねぇ・・・
    せめて明日の朝くらいは、もてなさせておくれ」
    なるほど・・・
    俺は「肉好きで肉をよく食べてるので肉がいいです」と答えた
    食事の後、俺も寝る場所として別の部屋に通された
    老婆は一人暮らしなので部屋は余っているそうだ
    俺は横になるなり山を徘徊した疲れからか、すぐ眠ってしまった。
    どれくらい経っただろう
    隣の囲炉裏のある部屋からの話し声で目が覚めた
    「人肉・・・食べた事あるかい?」
    「ああ、あるよ。あれはマズいねぇ」
    「わしもあるよ。あれは美味しいねぇ」
    3人で話しているのか?
    たしか一人暮らしと聞いたが・・・ご近所か?
    しかし、気味の悪い話をしてるなぁ・・・
    「お前本当に食った事あるのかい?あんなにマズいのに」
    「あんたこそ食った事あるのかい?舌おかしいんじゃないかい?」
    「まぁまぁ・・・草食動物の肉は美味しいって言うけど、
    肉食動物はマズいって言うじゃないか」
    「ああ、なるほど」
    「じゃあ食ってみるまでその人間はうまいかマズいか分からないねぇ・・・」
    「どうだい?今襖の向こうで聞き耳立ててる奴を食ってみないかい?」
    「いいねぇ」「いいねぇ」
    やばい! バレてる!
    俺は咄嗟に布団を頭まで被り寝たふりをした
    次の日、いつのまにか寝ていた俺は昨日の出来事を思い出しハッと飛び起きる
    なんともない・・・食べられずに済んだようだ
    恐る恐る襖を開けると、にっこりして朝ご飯食べて行きなさいと言う老婆が居た
    あれは夢だったか
    昨日襖が閉まっていた部屋はもぬけのからだった
    俺が起きるよりも早くに出て行ったそうだ
    結局会えず終いだったな
    老婆が出してくれた朝ご飯を見ると
    山菜と熊鍋だった
    なんだ・・・あんな事聞いておいて結局、
    肉と食物繊維バランスよく出してるじゃないか
    お年寄りは若者とコミュニケーション取りたいだけなんだよな・・・
    と、一人納得して食べてると、老婆は「熊鍋美味しいかい?」と聞いてきた
    俺は「美味しいです」と答えて、ご飯をおかわりした
    「何から何まで世話になって、ありがとうございました」
    背を向け帰ろうとする俺を「ちょっと」と呼び止めると
    老婆は最後にこう言ってくれた
    「この辺は熊がよく出るから気を付けんしゃい」

    山登りに来た客の解説


    老婆は
    『お肉とお野菜どっちが好きかえ?』
    という質問をしているのは、
    『草食動物の肉は美味しいって言うけど、肉食動物はマズいって言うじゃないか』
    という言葉(これはおそらく老婆の言葉)から、
    語り手が人肉として美味しいかどうかを
    見極めようとしていたのだろう。
    そして、語り手は、
    『肉好きで肉をよく食べてるので肉がいいです』
    と答えたため、美味しくないと判断され、
    食べられることはなかった。
    朝ごはんが山菜と熊鍋だったが、
    もし語り手が野菜好きで野菜ばかり食べている、と答えていたら
    このメニューは野菜だけだったのかもしれない。
    語り手を美味しく食べるために…
    そして、人肉を食べる方法であるが、
    今回の話だと『熊』がところどころに出てきているので、
    熊が関係していると思われる。
    山登りに来た客を熊に襲われるように誘導し、
    その客が熊に食べられたら熊を殺し、
    その熊の胃の中に残っている人肉を食べる、
    などといった方法を取っているのではないだろうか?
    だから、朝に熊鍋が出てきたと考えられる。
    胃の中の人肉は老婆たちで食べた(食べようとしている)のだろう。
    最後に老婆は
    『この辺は熊がよく出るから気を付けんしゃい』
    と言っているが、
    熊に襲わせたいとしたら、
    こういうことを言わない方が良いはずである。
    となると、肉好きな語り手の肉は美味しくないから食べたくない、
    だから熊に食べられてほしくないという考えがあり、
    最後に語り手に気を付けてもらうように言ったのではないだろうか。
    もう一人の客は災難だったが、
    語り手としては良い民家だったのかな…
    しかし、知らない内に人肉を口に入れている可能性も…
    知らぬが仏…ということですかね。
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