今日から待ちに待った夏休み…
他の同僚は家族と水入らずの一時を過ごしたり、離ればなれで暮らしていた我が子へ会いに行ったりと様々だ。
私も明日から5日間、久々に実家へ帰り家族達と過ごすことにしている。
車がないので私は、自家製のセダンを使って行こうと思う。
ただ、コストをかなり切り詰めたため座る部分がかなりぶよぶよしてきたのが気がかりだがこの際贅沢は言ってられない…
燃料いらずでマメに休憩さえ確保すれば、永久に燃料切れしないから良しとしよう。
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翌日私は何度も体がふわふわと風にあおられながらも、ようやく実家へたどり着いた。
みんな相変わらず元気だった。
母はお盆の準備に掃除にと大わらわのかたわら、弟は洗車してから念入りに車の点検…
父はわけあって長期出張を命じられ、単身赴任で暮らしている。
まぁ別に父がいなくても何とかバリバリやっているからノープロブレム♪
むしろいないくらいの方がのびのび出来て、それはそれで結構気持ちが楽だしね♪
でも私が帰ってきたにもかかわらず気づかないなんて、よっぽど忙しいんだな…。
とりあえず私は仏間に行き、見覚えのある写真に神妙な面持ちで手を合わせご挨拶してから自分の部屋に行った。
母は私がバタバタしているのを見てきょとんとしていたが、そんな母を私は懐かしくも愛しく感じた。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、いよいよお別れの時がやってきた。
私はゆっくりと、柔らかな灯りに満ちた小さな四角い舟に乗り、外から見送る家族達に手を振りながら
『また来るからね』
と泣きながら手を振り続けた。
母や弟の目にも涙が光り、お互いの視界はまるで歪んだガラスに遮られたように見えなくなってしまった。
私のまわりにもいくつかの小さな四角い舟が集まり、まるで水面に浮かぶホタルのように幻想的な景色を見せていた。
やっぱり家族ってあたたかい…
いつまでも本当は永遠に一緒にいたかったけれども、私には私の生活があるから出来ない…
悲しいけれども後でまた…。
私にお花と美味しいお菓子をたくさんくれて、どうもありがとね…。
ただ、カラスに大好物のパイシュー持ってかれたのはムカついたけど(笑)