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俺がまだ学生だったときの話。 当時、父親が入院してて、母親は夜勤がある仕事。そんなわけで、深夜に母親が帰ってくるまでは、ほぼ一人暮らし状態。 中学~高校と6年間こんな生活だったころに体験した内の一つです。その日はひどく疲れていたので、日課の歯磨きをしてすぐに床に就いた。 多分夜の10時ぐらいだったと思う。アパート暮らしで4Fに住んでた。 外は大雨で窓をバチバチ鳴らす音を今でも覚えている。季節は今頃だった。 疲れている割になかなか寝付けず、うんうん唸りながらも、ようやくウトウトしかけた頃だった。「・・・アハハハハ・・・」寝ている頭の先、窓の向こう側の方向から、すごく遠くで子供の笑い声が聞こえた。 それも複数の笑い声。ちょっとだけゾッとした。 が、寝た時間が早かったから、その時は、この時間に子供が歩いていてもおかしくないよなぁ、ぐらいにしか思わなかった。せっかく気持ちよく寝付きかけたのに、とイライラしていると、暫くして、「アハ、ハハハ、アハハハ」今度ははっきり聞こえた。 さっきよりも声が近い。よく考えたら、雨音が激しい夜で、ここは4F。 路上の声など聞こえるはずも無い。この時になって始めて、自分の体が動かせないことに気付いた。 やべ、金縛り?うそ?まじ?、みたいな自問を繰り返しながら各関節に力を入れるも、まるで動かない。ほぼまっすぐな姿勢のまま硬直。 声が出ない。瞼に力が入ってるのは認識できるのに、目も開かない。 過去に何回か金縛りになったことはあったが、この時は異常なほど不安になって、どうにか動こうと大きく息を吸い込むと、「ハハアハアハハアハハアハハアハハハアハハハハハハハアハハハ」すごく近い。窓のすぐ外。 しかも水平の位置から。何人もの子供の笑い声。 ありえねぇ、ここ4Fだよ、洒落になんねえ、やべえよ・・・。もう完全にパニック。 脂汗が出てるのが分かるぐらい全身の感覚はあるのに、まったく動かない。子供の声は笑いながらどんどん近づいてくる。 一定の間隔だった笑い声も聞こえっぱなしになってきた。「アハハハ!ハハハ!アハハハハハ!アハハハ!」もう完全に頭の上。 耳が痛いぐらいのすごい大音量。この辺からはついにあきらめて神頼み。 たすけて、すいません、ごめんなさい、なにもしないでください、云々・・・。悲しいもので、こんな後ろ向きの言葉しか出てこない。 それでも必死に心の声を振り絞る。でも、そんな想いとは裏腹に、笑い声は頭頂部まで近づいた後、あろうことか顔面を中心にグルグルと回り始めた。 子供の笑い声も怖いが、その音量の大きさに気が狂いそうになる程。体も布団もぐっしょり汗まみれ。 体の感覚だけやたら鋭いのに、動かない、声も出せない、目も開かない。どうにもならないストレスと得体の知れない笑い声、さらには耳をつんざくような大音量は、まさに生き地獄。 どれだけの間その状態だったか定かじゃないが、えらく長い時間に感じた。もうだめかも、と思いかけたら、今度は右手の方向から遠くの方で別の声。 すごく野太い男性の声で、なにやらウーウー唸ってる感じ。これまただんだん近づいてくる。 近づいてきてようやく、唸っているのは坊さんが念仏を唱えている声だと分かった。太鼓のような音も混じってる。 グルグル回る大音量の子供の笑い声。その右側からは大音量の坊さんの念仏。 頭が割れそうに痛い。鼓膜も破れるんじゃないかと思いながらも、必死に、たすけてー!たすけてー!を連発。 もう声なのか爆音なのか分からないぐらいになって、本当にもうだめだ、と思った瞬間、フッと体が軽くなった。「うわーーーー!」声が出た。 ガバっと布団を蹴脱いで飛び起きると、今までの大音量が嘘の様な静寂。ただ時計の音だけが耳に付いた。 深夜2時過ぎ。「夢・・・でしょ?・・・」自分に言い聞かせるも、全身汗でびっしょり。 体は小刻みに震えていた。しかも、布団に入っていたのに何故か手足が冷たい。 普通に思い返すと怖いので、夢、夢、絶対夢!と無理やり納得させつつ、顔を洗うのと、喉の渇きを癒すために洗面所へ。と、そこで愕然。 洗面所には、食卓でしか使わないグラスが。しかも、水がなみなみと注がれている。 「うそ・・・」洗面所にこのグラスを持ってきた覚えは無い。というか、寝る前に歯磨きしたときは確かに無かった。 家には俺一人・・・。子供の笑い声と、坊さんの念仏が一瞬頭をよぎる。 と、その時、ガチャ!洗面所から程近い玄関のドアが開く音。ビクッ!と本当に飛び上がって、玄関に恐る恐る近づくと・・・、「あら?あんたまだ起きてんの?」母だった。 「・・・あ、うん、・・・ちょっと・・・」しどろもどろになりつつもホッと一息ついた時、母が一言。「あんた、顔真っ青やん。 どうした?」言われて玄関の鏡を見た。真っ青と言うより真っ白。 まるで血の気が無かった。ただ耳の周りだけが異常に赤かった。
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