怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
お気に入り
1310
64
0
1
中編3分
【対象者限定】Amazonの聴く読書Audibleが2ヶ月無料!
プロのナレーターが朗読してくれるAudibleが今なら無料で2ヶ月間体験できます。あなたも対象者に選ばれているかタップして確認してみてください。詳細はこちら
コピー
「歌本」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
古本屋で小学校の時に使ってたのと同じ歌の本を見つけて、なんだか懐かしいような気分になって思わず購入。 『あの青い空のように』や『グリーングリーン』といった当時好きだった歌が昔と全く同じ体裁で掲載されていて、家で一曲一曲思い出しながら歌ってみた。当時一番のお気に入りだった『気球に乗ってどこまでも』の頁を開いた。 右下に余白があり、そこにいたずら書きがされていた。いかにも小学生が少女漫画を真似て書いたようなヘタッぴな絵で、男の子と女の子が描かれていた。 男の子の方には「さとるくん」と書いてあった。シャツに「3」と書いてあった。 女の子の方には何も書いていなかった。僕はちょっと笑った。 僕の名前もさとるだ。ほとんど消えてしまっていて読めなかったので気にしていなかったのだが、もう一度裏表紙の持ち主の名前を見てみた。 ○木(本?)△子。小学生の時にそれと似た名前の女の子はクラスに二人居た。 一人は高木秀子。名前は覚えているが顔はほとんど覚えていない。 もう一人は仲本順子。こっちは良く顔を覚えている。 なぜなら初恋の相手だからだ。僕はちょっとドキドキした。 妄想に近いある可能性を思ったからだ。もちろん、古本屋は小学校から程遠い都会にあるし、歌本は恐らく日本中に出回っているものなので、ありえないことなのではあるが、あの仲本順子が僕のことを絵に描き、音楽の授業中にいつも見ていたとしたら・・・。 なんだか甘酸っぱい気分になりながら、次のページを開いた。次のページは『大きなのっぽの古時計』だった。 その余白にも男の子と女の子の絵があった。テーブルで一緒に御飯を食べている絵だった。 テーブルの上には御飯と味噌汁と魚が描かれていた。次のページは『翼をください』。 男の子と女の子、そして赤ん坊が描かれていた。どうやら元の持ち主は結婚を夢見ていたらしい。 次頁は『この道』。男の子と女の子の絵が描いてあるのだが、女の子の顔がぐちゃぐちゃに塗りつぶされていた。 クラスメートにいたずらされたのか、それとも自分でやったのだろうか?次頁は『早春賦』。男の子は描かれておらず、女の子が泣いていた。 テーブルの上に芋虫のようなものが描かれていた。一体何が起こったんだろうか?想像が膨らんだ。 次頁は『あの素晴らしい愛をもう一度』。悪趣味にも、葬式の祭壇のようなものが描かれていた。 もう男の子も女の子も居なかった。歌本のいたずら書きはそれで終わりだった。 まさかとは思いながら卒業アルバムを引っ張り出してみた。仲本順子・・・、久々に写真でみてもいまだに胸がときめく。 初恋だからしょうがない。やっぱり可愛い。 高木秀子も探してみた。が、見当たらなかった。 5年のときにクラスが変っていたはずだが、他のクラスにも写っていなかったし、名簿にも無かった。気になって仕方が無かったので、当時PTA役員をやっていた母親に高木秀子を覚えているかどうか聞いてみた。 「覚えてるよ。でも、ほらあの子亡くなったでしょう、5年生のとき、事故で。 」すっかり忘れていた。そういえば女の子が亡くなってちょっと騒ぎになったことがあった。 あれが高木だったのだ。母親は続けてこう言った。 「でも、ホントは自殺だったらしいわよ。警察の方で事故扱いにしてくれたんだって。 かわいそうにねぇ」それは初耳だった。嫌な予感が急に現実味を帯びてきた。 居ても立っても居られず、当時のクラスメイトの岡村に電話をした。岡村も自殺の噂は知っていた。 全然関係ないことだけどと、彼はこう言った。「そういえば、長島監督、大丈夫かね、お前ファンだったじゃん。 いつも背番号3のジャイアンツTシャツ着ててさ。」言われて思い出した。 僕自身は全く興味なかったのだが、そういえば巨人ファンの父親が買ってきたTシャツを良く来ていた。そうするとやはりあの男の子は僕で、女の子は・・・。 いや、まさか。急に怖くなって手にしていた歌本を放り投げた。 「俺たち、あの子に悪いことしたよな。良くいじめてたじゃん。 顔に習字の墨汁ぶちまけたりしたっけ。お前なんか、給食の中に毛虫いれたりしてさ。 覚えてるだろ?」もちろん、忘れていた。そして、歌本は間違いなく高木秀子のものだと確信した。
この話は怖かったですか?
怖かった64
ツイートする
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
いま注目されてる怖い話
ちょっと怖い話3 フォロワーさんのひとこと体験談
ちょっと怖い話1 フォロワーさんのひとこと体験談
「超」怖い話 辛 (竹書房怪談文庫)
「超」怖い話 癸 (竹書房怪談文庫)
本当にあったから地味だけど怖い話: イタコばあばのノンフィクション じみコワ
【まとめ解説付きホラーまんが・合本】意味がわかると怖い話・短編3話分「妻が怖い」「壁の光」「行方不明」: オリジナル漫画・都市伝説・放送禁止・童謡・実話・怖い話 (TAブックス)
名無し
亡くなった女の子の本が語り手の元に来たのも気味が悪いけど、何より語り手がいじめをしていたことを忘れていたのが残酷で怖かった。
前の話:【洒落怖】白いもの
次の話:【洒落怖】黒い奴
怖い話 No.10337
【洒落怖】OL風の綺麗なお姉さん
1963
38
短編1分
怖い話 No.7731
【洒落怖】鉈おばさん
955
39
短編2分
怖い話 No.9671
【洒落怖】手の形の火傷
1100
25
怖い話 No.698
【洒落怖】カエルの刑
1348
怖い話 No.9374
【洒落怖】無数の手形
2018
長編5分
怖い話 No.8195
【洒落怖】連れていった
1672
50
怖い話 No.2751
【洒落怖】猫に呪われてるんだと思う
1566
36
怖い話 No.9001
【洒落怖】カーテン坊や
1268
56
怖い話 No.8505
【洒落怖】手形
1337
31
長編8分
怖い話 No.7905
【洒落怖】ぶよぶよ
996
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
歌本
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
一途な思い
死んだお姉ちゃん
おっさんとの関係
襲う河童
新品同様の白の高級車
死を伴うだるまさんがころんだ
夜間の巡回
テトラポットには乗るな
昔の六甲山の入口