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焼け落ちた山村で
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布団から飛び起き、慌てて腕時計を確認する。時計の針は10時20分を指していた。ホッと胸を撫で下ろし、洗面所へと向かう。身支度を整えて、宿のチェックアウトを済ませ、レンタカーで目的地へと走らせる。真冬の太陽は、まだ低い場所に位置している。なぜ僕がこんな場所にいるのか、まずはそこから話そう。僕はある有名週刊誌の記者をやっている。うちの編集長が何を思ったのか、この寒い真冬に心霊スポット特集をやろう、と言い出した。そういった類いが苦手ではなかった僕は、その企画に乗っかった。概要としては、数人の記者がそれぞれ心霊スポットに赴き、撮影や取材をしてくる、という簡単なものだ。僕が訪れることになったのは、数年前の夏に大きな山火事に遭い、住民が皆亡くなったという山奥の山村である。過疎化の影響でその村には若者がおらず、そのために火事を止めることも逃げることもできなかった、という話だ。ネット上の噂だと、その山村に日が落ちてから入った者は二度と帰って来られないとか。事実、この村に肝試しに行くと告げて行方不明になった若者が数多くいる。よくある話だ。幽霊に出会った、という噂は流れていなかったし、昼間に訪れれば楽な取材になりそうだ。しかし、昨日は飲み過ぎてしまったな。心霊スポットを取材しに行く仲間たちと、景気付けと称して朝方まで飲み明かし、その後タクシーで山村近辺の宿に泊まったんだっけか。少しばかり頭痛がするが、特に支障はないだろう。日の光がほとんど届かない鬱蒼とした林道を長い間走り続け、ようやく開けた山道に出られた。日はまだ高い位置にある。しばらく車を走らせると、数件の民家が見えてきた。速度を緩めながらその様子を見て、不思議に思った。確か村は全焼して酷い有様だと聞いていた。それなのに、平然と民家が立ち並び、焼け跡すら見受けられないのである。村に入ってからも、どこにも火災があったような痕跡は見当たらない。山火事があったというのは、デマだったのだろうか。しばらく進んでいると、軒先に老婆が座っているのが見えた。なんだ、人がいるじゃないか。ちょうど喉が渇いたし、取材ついでに水でも貰えないかな。家の玄関前に車を止め、その老婆に歩み寄った。「すいません、ちょっとお伺いしてもよろしいでしょうか」「はいはい、なんですか?」老婆は笑顔で答えてくれた。ずいぶん親切そうだ。「この村は数年前に大きな火事に遭ったんですよね?」老婆は少し顔を伏せ、先より弱い声で返した。「あん時は酷くてなぁ。熱うて熱うて、みんな水を求めて彷徨いよった」そう言って口をつぐんでしまった。初対面でいきなり触れるべき話題じゃなかったな。ここは少し話題を変えよう。「あの、喉が渇いたので水を貰ってもいいでしょうか?」「ああ、いいよ。裏に井戸があるけぇ、そこから汲んでください」僕は軽くお辞儀し、老婆の指した方へと歩いて行くと、古い井戸が見えた。だが、困ったことに桶が見当たらない。井戸の中に落ちてるのだろうか。何の気無しに、僕は中を覗き込んだ。「うっ」咄嗟に井戸から離れ、鼻を塞いだ。中には水などなく、白骨死体と腐った若者の亡骸が積み重なるだけだった。慌てて軒先に戻ると、さっきまで居たはずの老婆の姿がない。これは一体どういうことだ。日は出てるし、まだ夜ではないはずだ。狐にでも化かされてるのか。何より、日差しが異常だ。冬だというのに焼けるように暑い。これ以上の長居は体力的にも危険だ。一度帰ろう。日光で熱くなった車内に入り、キーを回す。動かない。ない。満タンに入れてきたはずのガソリンが。暑さのせいか、恐怖からか、汗が顔を伝う。汗の粒が、腕時計へと落ちる。時計の針は10時20分を指していた。
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