1. ホラスト
2. じわじわ来る怖い話

【じわ怖】家業の書店を継いだ伯父

ホラストをアプリみたいにインストールする方法

• 伯父の高校時代に、
  伯父が好きだった娘がいた。
  
  高校卒業後は、
  たまに同窓会で顔を合わせる程度の付き合いだったが、
  数年たって、その娘が親の進める縁談を受けて結婚し、
  夫の仕事の都合で遠くに引っ越したことを聞いた。
  
  と同時に、
  その子もずっと伯父のことが好きだったが
  告白することができなかった、と聞いた。
  
  20年ほどが過ぎ、
  地元で家業の書店を継いだ伯父の元に、
  その子の訃報が届いた。
  
  40代初めにして
  進行ガンで亡くなったそうだ。
  
  その子が亡くなって数ヶ月経ったある日。
  
  
  
  
  
  店先で数人の若い女性の
  
  「きゃーかわいい！」
  
  という嬌声が聞こえた。
  
  何事かと見に行ったら、
  店の前で仔猫が後ろ足で立ってちんちんしている。
  
  女性の話だと、
  道を歩いていたら仔猫の鳴き声が足元で聞こえ、
  みたら本屋の前で白い仔猫が、
  こちらを見ながらちんちんしていたそうだ。
  
  その後も白い仔猫は幾度となく店先に現れては、
  道行く人に呼びかけるように鳴き、
  店に誘い込むように後ろ足で起って
  ちんちんをするようになった。
  
  客寄せ仔猫みたさに店を訪れる客が増え、
  大型店舗に押されぎみになっていた伯父の書店は、
  しだいに客足が戻ってきた。
  
  最初のうちは
  「どこの猫だ、捨て猫か」
  ぐらいにしか思っていなかった伯父も、
  1ヶ月も経つ頃には仔猫に情が移り、
  餌やミルクをやるようになり、
  小さな頭や背中をなでてやるようになった。
  
  伯父はある日、
  仔猫の背中をなでてやっているうちに、
  全身白い仔猫の左脚後ろだけに、
  木の葉の形のような茶色のぶちがあることに気がついた。
  
  同時に早逝したあの子の左足のふくらはぎにも、
  木の葉型の薄茶色のあざがあり、
  それを気にしていたあの子は、
  ほとんどスカートをはくことがなかったことも思い出した。
  
  伯父は
  
  「客商売で動物は…」
  
  とずっと迷っていたのだが、
  思い切ってその仔猫を飼うことに決め、
  猫によくある名前をつけた。
  
  その呼び名は、
  高校時代の伯父が内緒でつけていた、
  あの子のあだ名だった。
  
  ずっと独身だった伯父は、
  小さな本屋で猫と一緒に暮らし、
  一緒に歳を取っていった。
  
  この話は、
  病床の伯父が猫を心配して世話を私に頼んだ時、
  伯父本人から聴いた話だ。
  
  伯父は50代半ばで早すぎる死を迎え、
  葬儀のあとに年老いた猫もまた姿を消した。
  

  • #中編

  この話は怖かったですか？

  怖かった21

• 

  ツイートする

• ※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります

  怖い話ランダムセレクション

  • 【じわ怖】ママのお腹に入る前 短編1分
  • 【じわ怖】人形の場所が変わる 短編1分
  • 【じわ怖】見た感じホームレスっぽい人 短編2分
  • 【得情報】表示されてる人限定のAmazonクーポン Amazon
  • 【洒落怖】悪人ではなかった 中編4分
  • 【ほん怖】山の女神様 短編2分
  • 【洒落怖】髪がボサボサの女 中編4分
  • 【洒落怖】怖い客の後ろには・・・ 短編1分
  • 【洒落怖】赤いシビックのカップル 短編2分
  • 【得情報】Amazon半額ストア！ Amazon

• いま話題のホラー漫画

  • 

    アフターゴッド（１） (裏少年サンデーコミックス)

  • 

    憑きそい (扶桑社コミックス)

  • 

    ＨＯＬＹ　ホラーコミック傑作選第１集 (角川ホラー文庫)

  • 

    ホラーアンソロジーcomic 死角 (comic死角)

  • 

    極めて怖い話　完全版

  • 

    小松左京の怖いはなし　ホラーコミック短編集

  • 

    ウォーキング・キャット ： 1 (アクションコミックス)

  • 

    鬼の蔵　よろず建物因縁帳 (講談社タイガ)

• コメント

• コメントはまだ投稿されていません
  

  家業の書店を継いだ伯父 についての感想や意見を自由にコメントしていってください
  • 本文：
  • 
    半角文字列だけの入力はできません。
  • 名前（省略可）：

• 前の話：【じわ怖】夢遊病か狐憑き

  次の話：【じわ怖】怖い話をネットで公開

• このページの監修者

  

  心霊サイト運営者

  全国心霊マップ

  ghostmap

  プロフィール

  

  Twitter

• この話を読んだ人はこちらも読んでいます

• ※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります

  • 怖い話 No.16508

    【意味怖】鏡では何もかも反対

    私はおきた 洗面所に行った 顔を洗い鏡をみた ふと鏡の世界ってあるのかな、と思った 鏡では何もかも反対。 時計も右回りだしなんか住みにくそうだな 「あっやばいバイトおく

    463

    5

    0

    短編1分

  • 怖い話 No.6928

    【意味怖】車での帰り道

    友人と車でスキーに行った帰り道、 ちょっとした会話の隙間に俺は寝てしまったようだ。 激しく揺さぶられ目が覚めた。 ああ、いつの間にか寝ちゃったのか… 目覚ましの音が鳴り続け

    316

    12

    0

    短編1分

  • 怖い話 No.11437

    【ほん怖】疫馬

    うちの母方の実家が檀家になってるお寺の話。 このお寺はそれほど大きくもないし有名でもないんだけど、 母が住んでた村の住民は三分の二以上がそのお寺の檀家になっていた。 残りの三

    305

    5

    0

    中編3分

  • 怖い話 No.13296

    【じわ怖】動く物

    知り合いの話。 仕事で森林公園の掃除をしていた時のこと。 箒とゴミ袋を下げて歩いていると、 行く手の木立の間に動く物がある。

    147

    2

    0

    短編1分

  • 怖い話 No.41

    【洒落怖】見張り台

    洒落にならないってことはないけど、ちょっと恐い話。 自分が学生時代、Ｓ県Ｍ市の大学に通ってた。その大学の周辺は公共の建物が多かった。 なんでも、かつての日本軍の病院などがあった

    508

    2

    0

    短編1分

  • 怖い話 No.1288

    【洒落怖】追っかけられる

    学生の頃ファミレスでバイトしてまして。 夜の1時が過ぎ閉店作業も終わった頃、同僚の女の子二人からお誘いが。”Ａ君（俺）、この後暇？よかったら飲みに行こうよ””ええけど、どこで飲む

    323

    3

    0

    短編2分

  • 怖い話 No.17412

    【洒落怖】病院を抜け出してきたおじさん

    ある時、 出掛けようと駅の切符売り場に向かっていた。 すると後ろから声を掛けられて振り向くと、 50代位のおじさんが立っていた。 おじさんの話はこうだった。 &

    340

    2

    0

    中編3分

  • 怖い話 No.1457

    【洒落怖】泣ける・・・

    イヴの夜、オレは一人ぼっちが嫌なばかりに友達に無理なお願いをし、友達、その彼女etcとカラオケボックスにいた。 友達に少々ウザがられも何曲か歌い終え、ほど良く酔いも回ってきた所で

    437

    7

    0

    短編1分

  • 怖い話 No.2315

    【洒落怖】８周回ると・・・

    俺には、幼馴染の女の子がいた。 家も近くて親同士の仲も良く、俺とその子も同い年ってこともあって小さいうちから一緒に遊んで（遊ばされて）た。まぁだいたいそういう関係ってのは、歳をと

    469

    2

    0

    中編4分

  • 怖い話 No.20915

    【意味怖】親切

    私は幼い頃から毎日のように父と母から暴行を受けていた。 悪いことをしていなくても暴行を受けた。 数学のテストで100点を取っても、字が汚いという理由で暴行を

    1039

    29

    2

    短編1分

  • 怖い話 No.20756

    【じわ怖】親父とマクドナルド

    俺の親父はマクドナルドが大好きで、 毎日一回はマクドナルドの商品を食わないと落ち着かない。 本人はいいんだが、 それにつき合わされる俺達家族は

    363

    20

    0

    中編3分

  • 怖い話 No.18956

    【じわ怖】戻れない肝試し

    この話は実際に新聞に載ったという前ふりで聞いた話ですが、 私は実際にその新聞を見ていないし何年前かも分からないので、 話を怖くさせるスパイスだと思って聞いてくだ

    538

    11

    0

    中編3分

  • 怖い話 No.17378

    【洒落怖】不合格

    自分で言うのも何だが、 私は子供の頃から大人しい性格だ。 外でドッチボールをして遊ぶよりは、 図書室で本を読むことが好き。 将来の夢は特に無かったが、 科学者に

    12

    5

    0

    中編3分

  • 怖い話 No.499

    【洒落怖】ワンピースの女

    高校１年の夏、私は自宅の3階で寝ていました。 朝の１０時頃だったと思います。足下のドア窓を開け放しで寝ていたので外の音もよく聞こえていました。 目を開け起きようとしたところ金縛

    182

    8

    0

    短編2分

  • 怖い話 No.1864

    【洒落怖】水門にて

    祖父の家は家屋の解体業を営んでおり、そこにはＹちゃんという従業員がいました。 僕の自宅と祖父宅は、徒歩１分ほどの所にあり、母も事務方の仕事を手伝っていたので、幼稚園や学校から、直

    25

    1

    0

    中編3分

  • 怖い話 No.12416

    【じわ怖】ウヲンさん

    ちょっとオタク＆学生注意。 ネタくさいけど本当の、唯一の心霊？体験。 中学校の修学旅行のとき、 夜中、話の流れでコックリさんをするこ

    219

    4

    0

    中編4分

  • 怖い話 No.8569

    【洒落怖】坊主の男の子

    俺が中学に入学したとき、 体育館が耐震強度が無いとかで 使用禁止になったんだ。 入り口や窓全部閉められてて、 窓から見える体育館の中は薄暗くて埃被ってて 好んで行くような

    271

    8

    0

    短編1分

  • 怖い話 No.6119

    【意味怖】魔の交差点

    近所の花屋の近くの交差点は「魔の交差点」と呼ばれていて毎年死人が出ている それだけならただの事故の多い交差点だが 不思議なことにその交差点では毎年、「同じ日」の「同じ時間」に人

    1394

    9

    0

    短編1分

  • 怖い話 No.6569

    【意味怖】無口

    楽しいスキー旅行が一変で台無し。 それというのも全て今皆のそばにいる「万理田」のせいだ。 万理田は無口で陰湿なところがあるが 彼女の保護者代わりの人物にごり押しに 近い形で

    426

    7

    2

    短編1分

  • 怖い話 No.18309

    【洒落怖】あぴ

    高校時代の話。 当時親父が猟銃を趣味でやっており、 猟犬を飼っていた。 小学生の時離婚し、 母親に引き取られて別居していたんだが、 ちょくちょく親父の所に行き、

    260

    4

    0

    短編2分

• ここで突然心霊写真クイズ！