1. ホラスト
2. 洒落にならない怖い話

【洒落怖】トウモロコシ

• 朗読動画を投稿する▼

  「トウモロコシ」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。

  ※YouTubeのURL必須

  例：https://www.youtube.com/watch?v=*********** 例：https://youtu.be/***********

  開始時間

  再生開始の時間を指定する場合は入力してください

  投稿する

  トウモロコシが食卓に上る季節になると、
  我が家では必ず語られる話。
  
  今では70歳近い母親が、
  小4のときに体験した話だ。
  
  ひとりっ子の母は当時、
  母の祖母と両親と一緒に田舎で暮らしていた。
  
  そこは小さな村落で、
  近隣どうしは家庭の内情などにもよく通じていた。
  
  母の両親は村に珍しく共働きで、
  GHQの通訳と教師をしていた。
  
  母の祖母は80歳を超える年齢ながら畑を作り、
  家の留守をみていた。
  
  お隣さんは裕福な農家で、
  子供が何人もいた。
  
  
  その中に、
  生まれつき脚の悪い男性がいた。
  
  脚のせいで農作業ができないといえ、
  思考はむしろ明晰で、
  親兄弟に気兼ねしながら、
  人目を忍んで離れで暮らす姿を、
  母の家族は隣家としてよく知っていた。
  
  その彼が、
  いい青年になった年頃に、鉄道自殺した。
  
  家業の役に立てず、
  養われる他ない身の上を悲観したのだろう。
  
  噂に聞けば、
  彼はずっと家族から邪険な扱いを受けていたらしい。
  
  母の家族にも心当たりがあった。
  
  彼が昼時、不出来な野菜を持って、
  かまどを借りに来ることがあった。
  
  （つまり、自分の昼ごはんの材料を持ってきて、調理していくのだ）
  
  母の家としても、
  
  「ろくに食べさせてもらっていないのでは」
  
  と心配し、
  快くかまどを貸して、
  うちの野菜をふるまうこともあったようだ。
  
  事件の日は、
  小さな村落で起きた一大事に、
  みんな大騒ぎだった。
  
  現場の対応、通夜や葬式の段取り…。
  
  大人たちは総出で事にあたった。
  
  母の両親もそれぞれ勤めから戻り、
  村の手伝いへと取って返した。
  
  凄惨な現場には誰も身元確認に行けず、
  母の父親が名乗り出た。
  
  母の母親は夕食が遅くなるからと、
  トウモロコシを茹でて置いていった。
  
  小学生の母は祖母とふたり、
  午後から夕食時を過ぎるまで留守番をした。
  
  その間に不思議なことが起こった。
  
  祖母のようすがおかしいのだ。
  
  祖母が大皿に山と盛られたトウモロコシを、
  むさぼるように食べる。
  
  おいしい、おいしいと、
  結局ひとりでほとんど平らげてしまった。
  
  ふだん祖母はトウモロコシを食べるとき、
  歯が悪いからと、一粒ずつつまんで食べていた。
  
  それもせいぜい年寄りの食べる量だ。
  
  また、周囲を珍しそうに見渡し、
  孫である母に素っ頓狂なことを尋ねる。
  
  祖母自身が選り分け、
  印をしておいた種ナス（次の年に使う種）を、
  
  「これは何か。どうして印をしてあるのか」
  
  などと何度も尋ねる。
  
  ふだんのしっかり者の祖母からは、ほど遠い。
  
  母は子供心にも何かおかしいと感じ、
  気味が悪くなって祖母に訴えるのだが、
  当人はきょとんとして、まるで要領を得ない。
  
  帰ってきた父親に事情を話すと、
  父親はすぐ何かを察した。
  
  そして、自分の母親である祖母を一喝。
  
  「ばあさん！
  変なものに取り憑かれよっては、いかんよ！！」
  
  しばらくして祖母はわれに返ったが、
  トウモロコシのことや、
  孫（母）に質問を繰り返したことなどは覚えていなかった。
  
  また、後でわかったことだが、
  祖母はいつも首から下げていたお守りを、
  偶然この日は忘れて、身につけていなかった。
  
  祖母はその後も長生きして、
  92歳で大往生した。
  
  母の祖母の異変が、
  隣家の彼の死と関係があるかどうかはわからない。
  
  「せめて最期に、
  腹いっぱい食べたかったのかもしれないね」
  
  と、うちの家族では言い合っている。 ・フォロワーさんの本当にあった怖い話 ： 2 (アクションコミックス)

  • #中編
  • #朗読

  この話は怖かったですか？

  怖かった1

• 

  ツイートする

• ※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります

  怖い話ランダムセレクション

  • 【怖い本】怖い話ノンフィクション１ (A CUP OF TEARS) Amazon
  • 【洒落怖】叩くモノ 短編2分
  • 【洒落怖】人の目 短編1分
  • 【洒落怖】謎の預かり物 中編3分
  • 【じわ怖】タイムリープ 短編2分
  • 【じわ怖】妻の最期 短編1分
  • 【ほん怖】相手に悪夢を見せる子守唄 短編2分
  • 【意味怖】廃墟の中から鈍い音がした 短編2分
  • 【じわ怖】アンティーク着物 中編4分

• 朗読つきの怖い話ランダム

  

  生まれたがり

  G級戦犯

  

  哀しい先輩

  ほがら朗読堂

  

  イヒカ様

  逢魔ゆみにむ

  

  ネットラジオをやっている

  逢魔ゆみにむ

  

  小さな児童公園

  逢魔ゆみにむ

  

  何も写ってない画像

  逢魔ゆみにむ

• オカルトまとめ速報

  • 【衝撃】最近の任天堂の『やり方』に不満の声が続出→「原因」がコチラ
  • 【画像】大谷翔平「朝はご飯3杯、夜は7杯食ってます」←アホやろ…
  • 【朗報】ワイ、頭脳明晰で美人な中国人の女の子と付き合った結果→「こう」なるｗｗｗｗｗｗ
  • スプーン曲げで有名な超能力者「ユリゲラー」の宮殿が売り出し中
  • 拷問官「過去の時代に遡って農民をやれ。場所は好きなところを選ばせてやる」
  • 【天才】家系ラーメンでライスに『これ』塗ってスープに浸して食べた結果ｗｗｗｗｗ

  まとめサイトのまとめ速報

  • 【怖い漫画】統合失調症という病。
  • 【悲報】ワイ、2chで「内定決まったｗ」とか言ってるやつにむかついてクレームの電話を入れたら優しく叱られる
  • 【画像】これより可愛いグラビアアイドル存在する？
  • 【画像】地雷系女子、タピオカを落として号泣ｗｗｗｗｗ
  • 【悲報】元反ワクの煉獄さん、追いつめられて自殺予告。これ大丈夫な奴か…？
  • 【神】明日ちゃんのセーラー服の作者、とんでもないものを描いてしまう

• いま注目されてる怖い話

  • 

    ちょっと怖い話1 フォロワーさんのひとこと体験談

  • 

    「超」怖い話　怪牢 「超」怖い話シリーズ (竹書房怪談文庫)

  • 

    怖い話ノンフィクション１ (A CUP OF TEARS)

  • 

    「忌」怖い話 (竹書房怪談文庫)

  • 

    死ぬほど怖い話～日常に潜む恐怖体験編～ (ナックルズ the BEST)

  • 

    フォロワーさんの本当にあった怖い話

  • 

    【閲覧注意】死ぬほど怖い話: ゾッとする実録体験談・全15話

  • 

    テレビでは流せない芸能界の怖い話【裏事情編】 (TO文庫)

• コメント

• 1：

  名無し

  2022/11/12(土) 22:20:25

  悲しい話だな

  トウモロコシ についての感想や意見を自由にコメントしていってください
  • 本文：
  • 
    半角文字列だけの入力はできません。
  • 名前（省略可）：

• 前の話：【洒落怖】自首した理由

  次の話：【洒落怖】肩凝り

• このページの監修者

  

  心霊サイト運営者

  全国心霊マップ

  ghostmap

  プロフィール

  

  Twitter

• ここで突然心霊写真クイズ！

• この話を読んだ人はこちらも読んでいます

• ※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります

  • 怖い話 No.21428

    【洒落怖】戦争物の芝居

    私が高校時代の話です。 私の高校は演劇部がすごく有名でした。 成り行きで私も演劇部に入っていたのですが、 扱う作品のレベルが高いだけに練習量も半端なく、 相当き

    177

    0

    0

    短編2分

  • 怖い話 No.4524

    【じわ怖】白い空間

    自分はある時期、あることをきっかけに怖い夢しか見なくなりました。 もう十何年も怖い夢を見てきたせいか、 夢であまり恐怖を感じなくなりました。 怖い夢を見る毎日だっ

    632

    2

    0

    中編3分

  • 怖い話 No.8921

    【洒落怖】間一髪

    私はひとつ癖がある 一人暮らしをしているんだけど マンションの部屋に入って ドアが閉まったその瞬間に鍵をかける癖 もうたぶん、 1ミリか2ミリくらい残して 閉ま

    512

    4

    0

    短編1分

  • 怖い話 No.8980

    【洒落怖】香水の匂いは消えなかった

    もう１０年以上前。 そうだな、 まだ街のあちこちに電話ボックスがあった頃の話だ。 ある３連休の前の金曜日。 俺は大学の仲間としたたかに飲んだ。 深夜１時前

    367

    4

    0

    中編3分

  • 怖い話 No.7369

    【洒落怖】四角いトンネル

    私の家系は女が多いです。 で、母方の親戚の女は ほとんどが何かしら霊感が強いんです。 見えたり、憑かれたり、上にあげたり、 直感がやたら大当りばっかりとか、 ジ

    603

    1

    0

    中編3分

  • 怖い話 No.693

    【洒落怖】ホテルの窓から

    当時17歳ぐらいだった僕は家族と一緒に北海道は阿寒湖のホテルに泊まりました。 地上8階の4人泊まれる部屋で、その夜、みんな寝静まったけど僕だけ眠れずに起きてたんです。ほら、ホテル

    573

    6

    0

    短編2分

  • 怖い話 No.21600

    【ほん怖】ジャングルで遭難

    太平洋戦争中、 曽祖父は兵役で東南アジアに出征していたそうです。 と言っても戦闘要員ではなく、 現地に補給用の鉄道のレールを敷く工兵部隊の、 小隊長を命ぜられていました。 小隊

    46

    0

    0

    長編6分

  • 怖い話 No.5242

    【じわ怖】違法駐車

    知り合いの話。 まだ学生だった頃のことだ。 彼が違法駐車をして車を離れ、 しばらくしてから戻ってくると、 自分の車の下から人間の足が飛び出していた。 周り

    606

    3

    0

    短編2分

  • 怖い話 No.19556

    【意味怖】最強の能力

    俺はある特殊能力を持っている。 それは時を止める能力。 しかも好きなだけ止められる。 最強だろ？ でもこの能力には１つだけ不具合があ

    3447

    39

    0

    短編2分

  • 怖い話 No.2137

    【洒落怖】実家の異変

    昔嫌な体験をしましたので、それについて書かせていただきます。 当時僕は大学を卒業したばかりのサラリーマンで東京で一人暮らししていました。社会人になってはじめてのGWということで栃

    754

    4

    0

    中編3分

  • 怖い話 No.18682

    【じわ怖】大正時代の物の蒐集

    大正時代の物が好きでいっとき蒐集していた。 ヤフオクで乳白色の電笠とか花瓶とかを入札しては部屋にかざったり、 とうじの青年雑誌や少女雑誌を買ってはその

    563

    9

    0

    短編2分

  • 怖い話 No.4541

    【じわ怖】虹の大橋

    神奈川県の宮ヶ瀬ダムに、 クリスマスツリーの点灯式を見に行った時の事です。 当時まだ幼かった私と祖父母が乗った車が、 途中『虹の大橋』の真ん中で止まってしまいました。

    666

    13

    0

    短編1分

  • 怖い話 No.19738

    【意味怖】わらしべ長者

    あるところに心優しい男がいた。 その男ーアレックスは10人兄弟の末っ子で結婚を願う相手がいたが、彼女の父親とアレックスの兄弟たちとの不仲が原因で、反対されていた。
    

    394

    11

    1

    中編3分

  • 怖い話 No.8656

    【洒落怖】新入社員

    俺はとある倉庫の管理会社みたいなところで働いていた 仕事は倉庫番で、 3交代24時間体制で事務所に詰める感じ 事務処理とごくまれにある来客の対応 そん

    798

    4

    0

    長編5分

  • 怖い話 No.3052

    【ほん怖】友達の心霊体験を聞こうとした

    以前、久しぶりに会った友達と 喫茶店で話してたときのこと。 彼女は旅先の旅館で心霊現象に遭遇したらしく、 怖い話好きの私はwktkで聞こうとしていた。 友達が話し始めた途端、 急

    585

    10

    0

    短編1分

  • 怖い話 No.21697

    【ほん怖】水溜り

    小学校低学年の頃の思い出だから、 もう四半世紀を越えている。 何分かなり昔のことなので詳細は思い出せないが、 友達7～8人と道を歩いていた。 自然に前後2つのグループに分かれて

    116

    0

    0

    短編1分

  • 怖い話 No.2744

    【洒落怖】小さな出窓

    今、住んでるマンションの前に住んでたマンションの時の話なんだけど俺は2階の角部屋に住んでた。 そこは3DKのマンションで学生の俺には広すぎる状態ではあった。でも、都内ではないから

    509

    4

    0

    中編4分

  • 怖い話 No.15717

    【意味怖】恐る恐る後ろを振り返る…

    ある日俺と友人のAでホラースポットにやってきた。 ホラースポットは俺の家からそう遠くないところにあるボロい家だ… 家に入った時はなんともなかったのだが、隣の部屋に入

    380

    11

    0

    短編1分

  • 怖い話 No.2139

    【洒落怖】孵化

    久米と旅行に行ったのは三月の終り近くだった。 新学期になる前に行っちゃおうってんで、無理して予定を組んだものだ。「あんま観光地らしいとこ行きたくねぇなぁ」等と言うものだから、街か

    1119

    3

    0

    長編5分

  • 怖い話 No.6995

    【意味怖】人々を苦しめる女

    私はこの時を待っていた。 あの女が無防備で一人でマンションから出てくるこの時を・・・。 何人の人々があの女の罠に陥り絶望的な生き地獄を味わっているか・・。 しかし、もう人々が

    472

    5

    0

    短編1分