怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
ミノボウズ
お気に入り
2660
45
0
中編4分
Audibleが1ヶ月無料キャンペーン中!
Audibleならホラー小説やミステリー小説をプロ声優が朗読してくれます。Audibleのおかげで通勤や待ち合わせなど退屈な時間が楽しみになりました。詳細はこちら
コピー
「ミノボウズ」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
夏、夕立にあうと思い出す話。ちょっと長文になります。 父親の故郷は山の中のすごい田舎で、 小学校中学年の頃まで、 毎年夏休みには家族みんなで遊びに行ってた。 その後殆ど行かなくなったんだけど、 高校受験を控えた中三の夏休み、 一人でしばらく田舎へ行くことになった。 街や友達からの誘惑を避けて、 何もなくて涼しい田舎でじっくり勉強したら? ということだったんだ。 婆ちゃんが裏の畑で作ってるスイカやマクワを好きなだけ食べながら、 広くて涼しい田舎の家で、受験勉強に励んでたわけ。 しばらくしたある日の夕方、 日課になった散歩に出てた。 田んぼの間の軽トラ一台が通れるような道が続き、 その脇に家が点在してる。 里山や小川もあったりして、 その辺の散歩は結構気分転換になった。 その日は急に空が暗くなって冷たい風が吹き、 ポツポツ雨が降り始めた。 夕立だ。雷も鳴り始めてる。 まだ強く降ってくれるなよーと思いながら帰路を急いでいると、 田んぼのはるか向こう側を、 二人の人が前後になって歩いて来るのが見えた。 そこでなんかすごい違和感を感じたんだ。 二人の人は蓑?みたいのを着て、 頭には三角の帽子を被ってる。 スゲの笠っていうのかな。 で、手には背丈ほどあるような杖。 いくら田舎とはいえ、平成の世の中だよ? あんな時代劇みたいの被るか? と思ってもう一度しっかり見てみようとしたんだけど、 ちょっと距離があったのと、 白く煙るほど雨が強くなってきたので、はっきりとは見えなかった。 で、なんか怖くなって全速力で走って帰った。 晩ごはんの時、 蓑と笠を被った人を見たと爺ちゃんと婆ちゃんに話した。 二人は一瞬ぐっと詰まったようになり、 顔を見合わせてから聞いてきた。 「ミノボウスを見たんけ??」 「どこで?」 「こっち来たんけ?」 「ミノボウズってわからんけど、そんな恰好をした人だったよ」 「何人いた?」 「二人」 「二人か…」 しばらく沈黙。 その後はいつものように、 畑はどうだのこれが美味いだのという話になって、 ミノボウズとやらの話は終わってしまった。 俺ももう気にしなかった。 次の日朝ごはんを食べていると近所の人が来た。 集落の○○さんが亡くなったという知らせだった。 爺ちゃんと婆ちゃんはちょっと驚いたようだったけど、 手伝いに行く相談やらを始めた。 で、爺ちゃんが俺に 「忙しくなるさけ、せっかくやけど家へ帰り」 と言ったんだ。 俺は 「へ?来てまだ一週間だし。 それに構ってもらわなくても平気だけど」 と答えた。 爺ちゃんはさらに 「けどな、田舎の葬式はたいへんやし、 ほんま構ってやれんしな」 と言う。 婆ちゃんは困ったような顔をしてるだけだった。 そうこうしてると、また近所の人が来た。 今度は△△さんが亡くなったと言う。 爺ちゃんは婆ちゃんをパッと見る。 婆ちゃんも今度は慌てふためいて、 「やっぱり帰り!爺ちゃんに駅まで送ってもろたらええさけ!」 と言って立ち上がり、 さあさあ支度しなさいと俺を追い立てた。 で俺は、追い出されるようにして田舎から帰ってきた。 その時は腹も立てたけど、 その後はほとんど思い出さなかったんだ。 次に爺ちゃんとこへ行ったのはもう大学生の時だった。 爺ちゃんが 「あの時はすまんかったなあ」 と話し出したのが以下の話。 爺ちゃんの田舎では 『ミノボウズ(蓑坊主だと思う)』が昔から目撃された。 雨の中、蓑と菅笠のいでたちで、 錫杖のようなものをついて集落へ入ってくる。 でミノボウズが出ると、 その人数分だけ集落で人が亡くなる。 ミノボウズは自分が呼びに来た人の葬式にも立ち会っているらしい。 でその葬式や葬列で自分を目撃した人を見かけると、 その目撃者も後で一緒に連れていく、という。 「もう何十年もミノボウズの目撃談は聞かんようになってたさけ、びっくりしたわ。 坊主はミノボウズの話を知らんはずやしな、こりゃほんまに見たんや思てなあ」 「もし坊主があの時そのまま居て、 なんかの具合でミノボウズに見つけられたら、 と思うと気が気でのうてな。帰してしもたんやわ」 父も、 「子供の頃にそういう話を聞いたことがあるけど、見たって人は知らないな。 まさかお前が見るとはな」 と感慨深げ(?)だった。 中三で実際に見た時は、 よくわからない怖さと違和感があったけど、 爺ちゃんと父親の話を聞いて、 急に怖くなったのを覚えてる。 これが、夕立にあうと時々思い出すんだな。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
この話は怖かったですか?
怖かった45
ツイートする
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
ひっそりと話題になってる心霊系の本
訳アリ心霊マンション 2巻【電子特典付き】 (バンチコミックス)
訳アリ心霊マンション 3巻【電子特典付き】 (バンチコミックス)
心霊探偵八雲 INITIAL FILE 幽霊の定理 (講談社文庫)
心霊物件に住んじゃった (本当にあった笑える話)
幽霊インタビュー完全版: 怪談界の歴史が変わる
不動清の心霊物件ファイル case・1 忌み地 (素敵なロマンス)
前の話:【ほん怖】箱の夢
次の話:【ほん怖】小さな頃繰り返し見ていた夢
怖い話 No.3823
【ほん怖】ノイローゼの原因
1497
46
中編3分
怖い話 No.15006
【ほん怖】釜トンネル
朗読 めたんの怖い話紹介ch
1410
30
短編1分
怖い話 No.3728
【ほん怖】排水口から女性用のネックレスが出てきた
1342
28
短編2分
怖い話 No.3335
【ほん怖】死体遭遇伝説
1266
41
怖い話 No.11515
【ほん怖】心霊スポットのある山で迷った
1476
33
怖い話 No.3217
【ほん怖】5~6階
1129
32
怖い話 No.3488
【ほん怖】貸しはがし
1707
35
怖い話 No.3251
【ほん怖】寺の巨木
1436
24
長編5分
怖い話 No.11371
【ほん怖】5人以下の時にしかその現象は起きなかった
1421
38
怖い話 No.3379
【ほん怖】あいつの話
1229
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着ほん怖
でっかいカエル
古びたフランス人形
信号待ち
家への電話
ヘアピンが落ちてる
友達の家に電話
笑い声
缶けり
義理の姉
サンタとトナカイ
極限状態の意識
白黒おじいさん
新着コメント
中国の桃
神様に相談した
アイヤー!ホイヤー!
熊に怯えていた
上の方から見られてる
趣味の盆栽
新宿のカプセルホテル
子供の頃に見えていたモノ