【ほん怖】事務所の電話

  • 三年くらい前の職場での出来事。

    その時、職場に入って一年目だったんだけど
    ストレスも溜まる頃で、
    当時、家で寝るときに頻繁に耳鳴りに襲われることがあって
    不眠状態が続いてた。


    その日も仕事終わって、
    12時頃に寝ようと布団に入ったけど案の定なかなか寝付けない。

    枕元のPCで昔のコント番組とか流しつつ
    ウトウトしてたんだよ。


    そしたらきーーーーーんって結構強い耳鳴りがしてきて、
    ハッと気がついたら職場にいるの。


    夜中の薄暗い事務所に背広着て
    独りで立ってぼーっとしてた。


    7つくらいデスクがある小さい事務所なんだけど、
    夜中でも守衛さんが随時見回りに来るから、
    小さい天井のライトはついてて真っ暗闇ではなかった。


    でもすぐに
    「あ、これ夢だ」
    って気がついた。


    なぜかというと、
    寝る前に見てたコント番組の芸人の声とか
    客の笑い声とかがずっと遠くで聞こえたから。


    ホントに遠くの方で
    「ははは」
    とかネタやってる芸人の声とかが
    うっすらと聞こえてくる。


    でもあまりにも目の前の空気感とか、
    デスクの手触りとかが生々しすぎて、


    「うわー、すげーこれホントに夢?」
    とか結構ビビリながら事務所をうろうろしてた。


    そしたら目の前の事務所の電話が鳴ったんだよ。


    ふと壁にかかってる時計を見たら、
    深夜2時頃だった。


    で、何故か受話器に手を伸ばしてしまった、
    会社勤めのさがというか普通に対応した。


    「はい、○○課のA(俺の名前)です」


    すると受話器の向こうから
    ブツブツと何かつぶやく男の声が聞こえた。


    電波が悪いのか声が遠いから、
    よく耳を澄まして聞くと独り言みたいなことを言ってる。


    『・・・ああ、やっぱり。
    ・・・やっぱりだめだった・・だめだったんだ、ああ・・・』


    みたいな何かを残念がってるようなことを言ってたと思う。


    何度か
    「もしもし?どうかされました?」
    と問いかけたけど
    反応がないから切ろうとしたんだよ。
    じゃ突然。


    『もしもし、A(俺)さんと言いましたか?
    イノウエです。社長は?社長はいますか?』


    って急にクリアに声が聞こえてきて、


    「え?社長は、もう退社されましたけれども・・」
    って返答すると、またさっきのように


    『・・・ああ、ダメだ。ダメだった・・・社長は・・・・だめだ・・』


    みたいな独り言を繰り返してる。


    で急にぷつっと電話が切れた、
    と思ったら目が覚めた。


    やっぱり自宅の布団の上で寝てて、
    PCでコント番組が流れてた。


    なんかホッとしたけど、
    あまりに生々しい夢でちょっと気分が悪くなったのを覚えてる。


    で、しばらく普通に出勤してたんだけど、
    なんとなく夢のことが気になって、
    事務所で結構長くいる古株のおばちゃん社員に、
    仕事の合間に喫煙所で聞いてみたんだよ。


    俺「ここってイノウエさんとかっていう人いましたっけ?」


    おばちゃん「イノウエさん?・・・え!?なんで?」


    俺「いやなんか、この前、
    夢でイノウエさん?みたいな名前の人が出てきて」


    で、ここでおばちゃんの顔色が急に変わったので、
    あ、なんか嫌な思いでとかあるのかなと思ったら、


    おばちゃん「・・・イノウエさんって、
    昔自分で逝っちゃった社員いるのよ・・」


    俺「え・・・そうなんですか」


    ちょっと嫌な予感はしたんだけど。


    その場が凍りつきそうになったのでとりあえず、
    井上さんとかよくある名前だから、
    友達にもいるし、みたいな適当なこと言って話を続けた。


    おばちゃんも最初は話しにくそうにしてたけど、
    まぁ、おばちゃんって基本うわさ話とか、
    他人の不幸話とか喋るの好きだから、
    いくつか質問したらほいほい答えるのよ。


    そしたら、そのイノウエさんっていう人、
    自宅で首をくくったらしいんだけど原因は不明。


    遺書もなくて、
    結局詳しいことは知らされずに処理されたらしくて、
    それが10年くらい前。


    ただ自○する前日に会社に何度か電話をかけてきたらしくて、
    おばちゃんもその電話を一回とったみたい。


    で、その内容っていうのが、


    『社長はいますか?
    いないんですか、ああ、やっぱりダメだ・・・
    ああ・・やっぱり・・・・うわあぁ!』


    みたいな意味不明な内容だったらしく。


    そのイノウエさん、
    真面目な人だったけどあまり周囲と馴染む感じの人じゃなくて、
    ほかの社員も何人か電話受けたけど、変な電話だったね、
    みたいな感じでほったらかしてたんだって。


    イノウエという名前だけならまだしも、
    会話の内容が夢とちょっと似てて、
    さすがに背筋がぞぞぞぞっとなったのを覚えてる。


    さすがに、おばちゃんには夢の中での電話の内容までは
    話さずに隠しておいたけど。


    さらに、そのイノウエさんの死亡推定時刻が深夜らしく、
    守衛のおっちゃんがその当日夜中に、
    どこかで電話が鳴り響いているのを巡回の最中に聞いたみたい。


    もちろん、それが事務課の電話かどうかはわからんみたいだけど。


    もう、このへんで心の中では(うわーー!うわーー!)状態で、
    おばちゃんもう聞きたくないから、話さないでと思ってた。
    なんかもう偶然にしても色々ハマりすぎて怖かった。


    一番嫌なのが、俺ってバカ正直だから、
    あの夢の中でイノウエさんに自分の名前名乗っちゃったんだよね。


    『Aさんといいましたか?イノウエです』
    って声が耳から離れなくて・・。


    それからしばらく耳鳴りとかも治まって夜も寝れてたんだけど、
    最近また耳鳴りがあるんだよ・・。


    それ以来、会社の電話をとるのが、ちょと怖い。

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