怖い話登録数16081話
目にやさしいダークモード
330
7
0
長編7分
表示されてる人限定のAmazonクーポン
表示されてる人限定のクーポン。毎日かわるから1日1回はチェックしよう
詳細はこちら
ホラストをアプリみたいにインストールする方法
コピー
2年くらい前、お菓子屋さんでバイトしてた時の話。 その店は車通りの多い交差点の角にあって、割と儲かっていた。と思う。 営業時間は9時までで、閉店すると店内ほとんどの明かりを落として、お金の計算と発注をして、9時半までには帰るのが日課だった。帰る時には、店の明かりを全部消すのだけど、その時必ずいつも2階の休憩室から「コトコト…」という音が鳴っていた。 実際その音は、蛍光灯を消した時の音だったらしく、私は別に怖くもなかったのだけど、幽霊なんかは信じないが怖い話は大好きな私は新人のバイトなんかに「電気を消すと足音がするんだよ~」と言っては脅かして遊んでいた。新人も、怖がりつつもそれが蛍光灯の音だとわかっていたので、「やめて下さいよ~」なんてふざけて受け答えしていた。 確か12月の始めくらいのことだったと思うけど、店に面した交差点で事故があった。私はその日バイトが休みで、事故を見なかったのだけど、壮絶だったらしい。 そこの交差点の信号は時間差になっていたせいか、見通しは悪く無いのによく事故が起こっていた。大体2ヶ月に一回くらいのペース。 バイト中に事故を目撃して、救急車を呼んだこともあった。で、その12月の事故で、私がバイトを始めてから初めての死者が出た。 私はその場にいなかったからわからないけど、信号無視してきた車が店の前の交差点を横断中の中年の女性をはねたらしい。私は次の日バイトに行くまでその事故のことを知らなかったのだけど、店長の話ではその女性は、搬送先の病院で亡くなった、とのことだった。 事故に関しては珍しいことではなかったので、しばらくしたらその話は誰からともなく忘れてしまった。その一ヶ月後くらいの12月30日のことだったと思う。 お菓子屋さんにとってみれば年末年始はかなりの稼ぎ時で、バイト先も例外じゃなかった。お年賀用の菓子折りの造り置きを、何百という単位で作っておかなきゃいけない。 だから30日は、店を閉めてからもずっと残って作業していた。残っていたのは、私と新しいバイトの子と副店長の3人。 多分11時になるかならないかの時間だったと思うけど、ずっと作業してきてちょっと休憩しよう、ということになった。寒かったし、何か暖かいモノでも買って来よう、ということになって近所のコンビニに2人が買い物に行くことになった。 残ることになった新人は結構な怖がりで、「早く帰ってきて下さいよ~」と冗談だか本気だかわからないような怖がり方をしていた。それがちょっと面白くて、私と副店長は彼女を残すことになったんだと思う。 安全のため鍵をかけて、副店長とコンビニに行って10分くらいで戻った。外から店を見たら、明らかに変。 何故って電気が全部消えている。新人が黙って何処かに出かけたのか?と思ったけど、鍵はかかったままだった。 ちなみに彼女(新人)は店の鍵を持っていない。だから、自分達を驚かす為にわざと電気を消して待ってるんだな、という結論になった。 ニヤニヤしながら2人で店の中に入る。「わ!」とか言いながら飛び出してくるかと思っていた新人だけど、全く出て来る気配がない。 息を潜めてカウンターの影にでも隠れているのかと思って、とりあえず電気をつけた。「●●さ~ん!戻って来たよ~」と呼んでも出てこない。 ちょっと心配になってくる。多分何処かに隠れてて、こっちが本当に心配しだしたころに飛び出てくるんだろう。 そう思って、ちょっと店の中を探した。それでも何処にもいない。 2階も探したし、ロッカーの中も見たけどいない。本格的に焦ってきて、呼びながら2人で探した。 でもいない。鍵はかかってたから、外にいるわけはないし…と思って、とりあえず店長に電話をしてみようか…という話になった時、突然。 ド オ ン !何かを叩く音がした。正直言うと、ビックリしてちょっとチビりそうになった…。 その音は店の奥の、業務用の大きな冷凍庫からしたみたいだった。冷凍庫というか、2畳分くらいの小さな部屋と言った方がいいかもしれない。 冷凍庫っていうのは、温度の調節のために時々止まっては稼動して…をくりかえしている様だったので、たまに「ドン」という音がしたりはしていたのだけど、明らかにその音とは違う。どちらかというと中から何かをぶつけたような音だった。 まさか!?と思って慌てて冷凍庫を開けると…。いた。 新人がその中でガタガタ震えながら体育座りをしていた。「何してるの!?」と急いで彼女を中から引っぱりだし、上着を着せて買って来た肉まんを食べさせてやった。 歯をガチガチ鳴らして、最初はロクに立つこともできなかったのだけど、徐々に震えが止まって、肉まんとお茶を飲むことができた。「大丈夫?何であんな中入ってたの?」と聞くと、急に彼女は涙を流して「もう帰りたい!帰りたい!ここいたくない!」と子供の様に泣き出した。 時間ももう遅いし(確か11時半過ぎ)新人もこんなだから、とにかく帰ろう、ということになった。新人は副店長が車で送って行った。 次の日、新人はバイトに来なかった。辞めたらしい。 おかげで31日は死ぬ程忙しかった。31日に店を閉めてから、副店長に昨日のことを聞いた。 副店長が車の中で新人に聞いた話では、彼女はやっぱり私達を驚かそうとしてカウンターの影に隠れていたらしい。そうしたら、突然電気が消えた。 彼女は私達が帰って来て、逆に驚かそうと電気を消したと思ったらしい。そうしたら足音が聞こえた。 「来た来た…」と彼女は思ったらしいけど、何か変。……2階から聞こえる。 蛍光灯を消した時の音は彼女も何度か聞いていたので、最初はその音だと思ったらしい。でも、いつもはネズミが走っているような「コトコト…」という音が何だか「ギシ…ギシ…」という音に聞こえる。 しかも音のする場所が移動している。例えるなら、2階で誰かがグルグル歩き回っているような…。 彼女は怖くなって電気を付けようと走り、慌ててスイッチを押したけど電気が付かない。泣きそうになりながら何度もスイッチを押していると、音がまた移動している。 …ギシ…ギシ…ギシ…ギシ…(階段を降りてきてる!?)とにかく何処かに逃げなきゃ、隠れなきゃ、と思った彼女の目に飛び込んできたのが冷凍庫のドア。開けたら、中の電気が付いた。 それに安心したのか、彼女はその中に入ってドアを閉めた。もちろん冷凍庫なので、ドアを閉めたら電気が消える。 密室で寒くて真っ暗で、彼女はまたパニックになった。今度は出ようと必死になるけど何故かドアが開かない。 もちろん冷凍庫は人が閉じ込められないように、中からも簡単に開くようになってる。赤いボタンをポチッと押せばいいだけ。 でも、いくら押してもドアが開かなかったらしい。凍えそうに寒くて、狭くて、暗くて、頭がおかしくなりそうになりながら「助けて!助けて!」と何度も叫んでドアを叩いたらしい。 でも開かない。もう自分は本当に死ぬんじゃないかと思って、渾身の力を込めてドアを叩いたら、外からドアが開いた。 そこで私達がドアを開けたらしい。ちなみに私達は彼女のその渾身の一発以外の音や声は全く聞かなかった。 この話を聞いて、多分彼女は怖くてパニックになっただけなんだろう、と思ったけどそんな目にあったんじゃ辞めるのも無理はないな…と思った。そしてその時店長が、「昨日深夜にセコムのセンサーが反応したらしくて、警備員が見に来たんだけど、何もなかったんだって~(笑)」と言った。 普段だったら「何か出たんじゃないの~?(笑)」と笑う所だけど(実際過去に何度か反応したことがあったし)昨日のことがあっただけに、笑えなかった…。で、今私このバイト辞めてるんだけど、それにはちょっと理由があってね。 新人さんが辞めた2日後のお昼、2階の休憩室で1人休んでたんですが。そこの灰皿(タバコを吸う人がいないので、その時は小物入れになってた)に見た事のない指輪があった。 ちょっと高そうな感じ。後で店長に聞いてみたら「ああ、あの指輪ね~、一ヶ月くらい前に店の駐車場に落ちてたのを拾ったの。 高そうだし、お客さんの落とし物かもしれないから預かってるんだよ」一ヶ月前。偶然かもしれないけど、死亡事故が起きた時。 中年の女性。指輪。 ひょっとしたらその指輪は亡くなった女性のもので、新人の子が聞いた足音はその女性のものでは。そう考えてしまったら、何だか怖くなってしまって。 お正月の忙しい時期が終わってから、私もバイトを辞めた。確かめることも何もできないけど、今でもそのお店は普通に営業しているし、店長も副店長もまだ勤めている。
この話は怖かったですか?
怖かった7
ツイートする
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
Amazonマンガ売れ筋
転生したらスライムだった件(21) (シリウスコミックス)
¥715
僕のヒーローアカデミア 35 (ジャンプコミックスDIGITAL)
¥460
チ。―地球の運動について―(8) (ビッグコミックス)
¥693
キングダム 65 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
¥627
金色のガッシュ!! 2 Page 4
¥119
葬送のフリーレン(8) (少年サンデーコミックス)
¥528
BLUE GIANT EXPLORER(6) (ビッグコミックス)
¥770
薬屋のひとりごと 10巻 (デジタル版ビッグガンガンコミックス)
¥660
前の話:【洒落怖】床を這う女
次の話:【洒落怖】張り付く女
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
怖い話 No.10140
【洒落怖】おじいさんの面倒を見る彼女
ある田舎町の高校で、 写真部に所属する男が、 同じ学校の女の子に片想いした。 彼女は町外れの古い家でおじいさんと2人暮らしで、 おじいさんの面倒をよくみるとても優しい子で
446
10
中編3分
怖い話 No.18663
【じわ怖】母親と二人で寝てた
幼少期の頃、 夜の何時頃かはわからないが 母親と二人で寝てたんだけど、 俺はなかなか寝付けないでいた。 ふと部屋のドアを見たらドアが開
120
8
短編2分
怖い話 No.12406
【じわ怖】昼寝から目が覚めると
昼寝から目が覚めると、 知らないオッちゃんの上半身が 目の前(体の上)を通り過ぎていくところだった。 思わず小声で 「うをっ
185
2
短編1分
怖い話 No.5270
【じわ怖】夫の母が急死した
私の夫の母が数年前に急死した時の話です。 誰も思いもかけなかった死だったから、 悲しいと言うよりも大慌てだった。 夫とその兄も、葬儀の準備、 呆然としている父の
290
3
怖い話 No.3017
【ほん怖】友人家族と一緒に花見に出かけた
2年くらい前の話。 ちょっとマイナーな場所で、 友人家族と一緒に花見に出かけた時の事。 夕方頃、花見も終わり後片付けし、 駐車場に戻って解散→各自車で帰る(当然飲んでません。
281
5
怖い話 No.4249
【じわ怖】放置自転車
俺はチャリで通勤していたことがある。 今は原付に乗っているが、 チャリからそれに変えたのは妙な理由があったからだ。 俺の勤め先は駅のすぐ側にある。 便がいいので、いつも駅の
283
怖い話 No.1092
【洒落怖】四階のベランダ
私の兄の話です(実話)当時私の兄は両親と同居していて仕事は3交代の仕事でした。 1番方(早朝~昼3時頃)2番方(2時~11時頃)3番方(9時~明け方5時頃)といったローテーション
118
怖い話 No.17382
【洒落怖】ピンクのレインウェア
東海地方の〇〇山に登った時の話。 その山は標高は1000m位で、 麓には青い森が一面に広がっていた。 登山道を道順に登っていたんやが、 50mほど前にピンク色の
375
11
怖い話 No.4519
【じわ怖】夢に現れた人影
女住職から聞いた話。 子供の頃、夜中に目が覚めてトイレに向かう途中、 廊下の磨りガラス越しに、家族では無い誰かが居間の炬燵に入っていた。 こちらに背中を向けていた
164
6
怖い話 No.60
【洒落怖】隣の人
数年前。 広島県に住んでたころ実家に帰るために新幹線に乗ったんです。今もあると思うんですが、「広島発」ってことで自由席に普通に座れたんですが、帰省シーズンだったこともあってだんだ
386
怖い話 No.6514
【意味怖】秋のバカンス
数人の女性が秋のバカンスに行きたがり行き先を決めかねていた。 「食べ放題」 「温泉」 などいろいろあって決まらないのだ。 一人が辻占い師を見つけて 「彼女に決めてもらおう
321
14
怖い話 No.8060
【洒落怖】怒りの感情
こういう季節になると 幽霊絡みの話が増えて、たまに 「霊が近寄ってきたら怒れ、 怒りの感情は強いから霊が負ける」 とかいう人がいるけど、 やめておいた方がいい。
249
中編4分
怖い話 No.9761
【洒落怖】人の頭
私の同級生から聞いた話ですが・・・ 高校3年の時、 彼は吹奏楽部の部長さんでした。 吹奏楽部は、 放課後旧校舎の教室を全室借りて、 楽器のパートごとに練習します
116
怖い話 No.19769
【意味怖】俺は爆弾を持っている
俺は爆弾を持っている。 モノは水筒型で、中は液体高性能爆薬で満たされている。 注ぎ口の開閉用ボタンを押し込むとプライマーに点火、爆発する。 …そ
351
怖い話 No.13209
【じわ怖】竈
親戚の話。 幼少の時分、 薪で風呂水を沸かすのが彼の仕事だった。 裏山に干してある薪を母屋まで持っており、 そこで割ってから
160
怖い話 No.5019
【じわ怖】数字
私は零感だけど、最近初めて訪問したお宅で、 そこの息子さんが庭に出てきたところをぱっと目にした時、 胸の辺りに30センチくらいの大きさで 『19』 という数字が
111
怖い話 No.5379
【じわ怖】足袋とぞうりと巾着
老人病院で働いたことがある。 痴呆、もとい認知症の患者がもちろん、いる。 そのかたがたの中には夜になると 豹変したりいない人が見えていたり、するひともいる。
173
怖い話 No.298
【洒落怖】お堂の中の人形
今から5年前、学生時代俺が体験した話。 サークルの部室で先輩に怪談を話してもらってて「本当に恐い体験がしたいのなら、今からI市にある○○寺に行って来い」と言われ、早速友達と二人で
367
1
怖い話 No.16990
【意味怖】お婆ちゃん猫
生まれたときからずっと猫を飼っていて、その猫、もうお婆ちゃんといってもいい歳だった。 私はちっちゃい頃から喘息がひどくてよく入院をしていた。 小学生の頃、喘息の発作
1505
12
怖い話 No.10374
【洒落怖】真冬の海にいた子供
中学途中から高校卒業するまで、 東北の某県にいた。 高校2、3年のときの友達が、 よく夏に海水浴に連れて行ってくれた。 約10年前の大学4年の冬、 「
282
新着洒落怖
MMD+kinect
吐き気や頭痛に見舞われる場所
今の動画、ヤバい…
はじかれる年賀状
階段の数が…
録音された謎の声
ずっと見えてたらしい
ちょっとした霊感と超能力
無頓着な人間
エスカレーターに乗っている母娘
不思議な夢の発端
妙な奴に妙な所で会う
新着コメント
鼠の恨み
引っ張られる
実況メール
霊界遊び
仮眠した場所
廃病院のカルテ
父親の面影
電話で話した
やりたくて仕方ない