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ある病院での話。病理実習でレポートを提出する役になった実習生のA、助手から標本室の鍵をもらうときこんな話を聞かされました。「地階の廊下で、おかっぱ頭の女の子がマリつきをしているのを見たら、絶対目を合わさず、話しかけられても喋るなよ。いっぺん返事をしてしまうと、すごい力で手をつかまれ、こう言われるんだ。『私って、大人になったらどんなだと思う?』そう言うと見る見る美女に変身して、『こうなれたはずなのに、お前達のおかげで・・・』と化け物の顔になって襲ってくるらしいぞ」 「・・・で、それから?」「それから・・・って、まあそういう話だから」何を古くさいホラ怪談言ってるんだかと、Aは標本を探し出して実習室に帰っていこうとしていました。すると、どこからともなくマリつきをしているような音が聞こえる。見ると、来るときには気づかなかったが、霊安室がほんのり明るくなっており、その前で小さな女の子が手マリを持ってたたずんでいるではありませんか。Aの心臓は縮み上がりましたが、常識が現実に引き戻します。何を考えているんだ、この子は現実の存在だ。家族に不幸があってここで待ってるだけなんだ。なにを怖がることがある・・・。ぎくしゃくと通り過ぎようとするAを、女の子が呼び止めました。子供に似合わぬ刺すように鋭い視線を寄せ、「せんせい、お母さんのしゅじゅつの様子はどうですか?」と。落ち着きかけていた彼の心臓はまた凍り付きかけます。手術って・・・なんで霊安室前でそんなことを・・・ああ、やはりこの子は霊なんだ。母親と一緒に事故にでも遭って死んだのに、母親を心配して、自分はまだ生きてるつもりで、白衣の人間に様子を聞いているんだ。そして、母親と自分を救えなかった恨み言を言い始めるんだ・・・。何も言ってはいけないと言う忠告もどこへやら、彼は蒼白になって言い訳を考えます。ボクはね、白衣着てるけど医者じゃないんだ。まだ勉強中なんだ。お母さんや君のことはとっても気の毒だけど、ボクは関係ないんだ・・・そう言おうとしたとき、霊安室横のドアが開け放たれます。彼は声にならない叫びをあげながら、そちらに向き直りました。そこには、目を真っ赤に泣きはらした若い男性が立っていました。そして先ほどの子供を手招きし、抱きすくめました。ふるえながら壁にへばりついているAと目が合って、男性は訝しげながら会釈し、普通ならぬ様子に「子供が何か?」と尋ねてきました。新手の霊の登場かという疑いも捨てきれないAは、それでも落ち着きをしだいに取り戻し、かすれる声で答えます。「お子さんがお母さんの手術のことで聞いてこられたもので、事情が判らなくて・・・」男は苦い笑みをかすかに浮かべました。「そうですか。実は女房が急死しましてね。病院についたときにはもう・・・。今解剖中なんです。お母さんの体の中をもう一度調べてもらうと子供に説明したら、『死んじゃった後でも手術して助けてもらえるんだね』って言うから、そうなったらいいねって・・・」しばし呆然と立ちつくした後、Aは「ご愁傷様でした」と頭を下げ、まだ震える手足をせかせてその場を去りました。振り返ると、その親子は薄暗い廊下でいつまでも寄り添いすすり泣いていました。体に血の気が戻ってくるのと、ガラにもなく涙がこみあげてくるのを感じながら、これは本物の怪談だった方がよっぽどダメージ少ないだろうな、とAは感じたものでした。・・・Aはその後、基礎研究の方向に進みました。「臨床だと、毎日の仕事がああいう悲しみの上に成り立つのか、なんて感じたから」とのことだそうです。
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