雷庵が小学校に上がる前のある日、
母と連れ立ってお墓参りに行ったときの話。
お墓参りを済ませてから、
母はお布施と折り詰めを持って寺の本堂に挨拶に。
私は、お墓に隣接している公園(お寺の敷地内)で
待っているように言われました。
そして、しばらく一人で遊んでいると、
知らないおじさんが現れました。
知らない人には~と母から注意は受けていたのですが、
そのおじさんは何と言うか…怖いと言う感じはせず、
むしろ安心できる優しい人という感じがしたんです。
遊具などでおじさんと一緒に遊んでいると、
程なく母が公園に現れました。
でも、キョロキョロ何かを探している風で
公園の中を行ったり来たり。
母の用事がまだ済んでいないと思った私は、
相変わらずおじさんと園内で遊んでいました。
ひと仕切り見回った後、本堂へと戻る母。
今度は住職やお坊さんらしき人たちも出てきて、
みんなで公園の中を行ったり来たり。
母と一緒に全員で何かを探しているようでした。
なんだろう?と思いながらも構わず遊んでいましたが…
随分時間が経っているのに
必死で何かを探しまわっています。
そのうち公園の外に出ていく人もいました。
みんなが気になってきたのと、
遊ぶのにも飽きてきた私を察してか、
知らないおじさんが
「そろそろ、お母さんの所に行こうか?」
と言い、
母の所まで手を引いていってくれました。
私は母に近づき
「まだ帰らないの?」
と声をかけると、
泣きそうな顔で
「今までどこに行っていたの!?」
と怒りはじめました。
さっきまで一緒に遊んでいたおじさんの姿は忽然と消えていて…?。
私は
「ずっと公園にいた」
と主張しているのですが、
母は姿が見えなくなったので、
公園を中心に住職&お坊さんに協力してもらって、
今まで探していたというのです。
そういえば、おじさんと遊んでいる間は、
探しているみんなの声だけでなく、
近くの車道の音すら聞こえてなかったように思います。
聞こえていれば、
いくら子供でも探している事に気付いていたはずですから。