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目にやさしいダークモード
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長編8分
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どうやら自分はやたら耳が良いらしい。 コウモリの鳴声なんかフツーに聞こえてたんだけど、 そんな耳、なくしちゃった話。 仕事帰り、 深夜の峠をレンタカーで走っていた 除雪はされているが根雪で辺り一面真っ白。 天気は荒れ模様で、断続的に降っている雪が、 時折すごい勢いで吹き付けてくることもあった 対向車もほとんどなく、 そのときは前にも後にも車は見えなかった 車に乗ってる間中、 ずっとFMかけてたんだが、 山ん中なもんでときどき電波が弱くなったりして、 雑音にパーソナリティの声が途切れがちだった で、そのラジオの電波が悪くなる合間に、 なんだか違和感を感じた 聞いているラジオ局のものではない音が 混じっている気がする はじめは混線しているのだと思ってたんだが、 どうもおかしい 他局の放送がまぎれているなら、 声や別の音楽の断片も聞こえていいはずなのに、 いつまでたっても、同じ調子の音しか聞こえない 15秒くらいのワンフレーズを 延々繰り返しているようだ なんだかイラっときて、 ラジオのスイッチを切った とたんに、 ワイパーとタイヤがガタガタいう音が大きくなり、 それに混じって、 少しはっきりとそのメロディが・・・ ラジオの音じゃないのか? 知らない曲。 サビの部分だけ? 携帯の着メロ? ってのが真っ先に頭に浮かんだけど、 和音なんか使ってない、 やけに薄っぺらい電子音だった 雪がちょうど小降りになったとき、 ちょい先の道脇に車が停められるくらいのスペースをみつけた チェーンの着脱場かもしれない。 そこに車を停めると、 ハザード出してエンジンを切った 車内になにか落ちているに違いない。 自分が借りる直前に使った人のだろう。 レンタ会社の人が見逃したんだ ちゃんと掃除しろよな、とか思いながら、 助手席のシートの下や、ダッシュボードの中、 ドアポケットを探した 目覚まし時計のアラームと同じで、 単調な電子音って、 結構耳について気になるんだ。 できれば見つけだして止めたかった 運転席側も確かめた。 フロアマットをめくって見たが、 そこにも見つからない 後部座席の方を覗いてみたけど、 見渡す限り何もなかったし、 それに後の方に身を乗り出したら 音が少し遠くなった やっぱり前の方か。 今度は利き耳(自分は左)を近づけて ダッシュボードの方から順繰りチェック シートではなく、 カーステレオ付近に向かって音が大きくなる すぐ下の灰皿の中も確認。 シガーソケットも抜いてみたが、異常なし 何度か繰り返してみたが、 やっぱりカーステレオの付近から聞こえる。 電源切ったのに、なんなんだ? しばし考えて、ふと思いついた カーステレオのすぐ上、 エアコンの吹き出し口に耳をつけてみた 自分、エアコンの乾いた空気が直接当たるのが嫌いで、 車に乗るときはいつも羽をめいっぱい下向きに下げとくんだが、 その羽越しが、今までで一番大きく聞こえた ここだ。なーんだ。 前のやつがダッシュボードの上にブツを置いて運転 振動でフロントガラス側のエアコン吹き出し口に落ちたんだ 不注意なやつ。 でもフロント側のエアコンの吹き出し口、 そんなに大きかったっけ? 細いキーホルダーかなんかだろう 車の傍らで談笑中、 保険屋がボールペンのキャップだか、クリップだかを うっかり吸気口に落としてくれて、後でエンジンをかけたら、 ブロアのファンがボロボロになってしまったと ぼやいていた友人を思い出した 故障を自分のせいにされたらかなわん。 吹き出し口はフィルターあるから大丈夫だったけ。 とにかく車返却するまでもってくれよ 取り出すのは諦めて、 急いで帰ろうとキーを差し込んだとき、 それまで鳴り続いていた音がピタっとやんだ 車内は乾いた雪が降り積もるサーって音と ハザードのカッチカッチいう音だけ 音源探してたのはほんの10分もかかってないはずなのに、 フロントガラスは雪で真っ白に覆われて車内は薄暗く、 そこにハザードランプの黄色い点滅が反射して不気味に思えた。 急に空恐ろしくなった 最初からかなり小さい音だったし、 電池切れかけてたんだ そうに違いない。 音が止んでくれたじゃないか。 そう望んでたんだろ 自分を無理矢理納得させて、 エンジンをかけた ブワッと、 いきなりひどく冷たい空気が顔に吹き付け、 その冷たさに顔をしかめた さっきまで、送風は フロントガラスと足元側にしかしてなかったはず 変だな、と吹き出し口を見た 吹き出し口の羽のつけ根にある隙間から、 なにか白いものが動いたように見えた いつのまにかあのメロディがしていた。 が、今度は1回でブツッと途切れた そしてエアコンの音じゃない、 ボソボソ、ボソボソッとくぐもった音がし始めた 人の呟きに聞こえる。 だれかが電話で話している 話の内容までは聞き取れない。 低い声だが、 なにかをまくし立てているようだ 自分の体は固まったように動かない 見てちゃいけない、 そこを見てちゃいけない。 自分ではそう思っているのに、 なぜか瞬きもできず、目が離せない 吹き出し口の黒い羽がゆっくり動いている。 閉じた羽が開かれ、 向こう側から羽の間には、 黄緑に変色した爪が覗いた 開ききった羽は、 今度は上に向きはじめた。 青みがかった白い指先が 自分の顔を指すような角度に持ち上がり、 全開の吹き出し口は真っ黒く、 奥底まで見えそうだ やばい。やばい。 理由もなく本能が危険信号を出すってあるんだな。 自分が本当にガタガタ震えはじめるのがわかった。 突然耳元に生臭い息がかかった 「聞いてたんだろぉ゙ぉ゙お゙あ゙あ゛あ゛」 しゃがれた男とも女ともつかぬ声 途端に吹き出し口の中、 真っ黒の中に閉じた目蓋が開いたように、 黄色く濁った目がぎょろっと剥いた 憎悪に満ちたその目と目があったとき、 もう訳もわからず、 自分も狂ったように叫び声をあげて発車させてた 目の前は真っ白。 ボンネットに積もった雪が フロントガラスに巻き上がったんだと思う それがなくとも周りなんか見ている余裕はなかった。 目をつぶっていたのかもしれない。 良く人や車にぶつからなかったものだ 左耳いっぱいに 「ぎぃぃいいいい」 という大音量。 音の圧力で鼓膜が痛いほど押されている それがどんどんひどくなって、 ついに太い針を耳から突き入れられるような痛みを感じて、 目の前が真黄色なった。 あとは憶えてない 気がついたら病院だった。 車は道路脇にあった雪の吹きだまりに 突っ込んで止まったらしい 運がいいことに、 突っ込んだ吹きだまりもふかふかの新雪だった そしてその吹きだまりに突っ込まなかったら、 崖にダイブするところだったと、あとから人に聞いた 自分は車外に放り出されていたのか、 無意識に自分で車の外に出たのか、 車の外に倒れていた。 あの悪天候でよく凍死しなかったものだ 事故のすぐあとに来た除雪車の運転手が、 車と自分とを見つけてくれたのだそうだ だから体はちょっとした打撲程度ですんだが、 左の鼓膜が破れていたそうだ それだけで済んで良かったのだろう。 いろんな人に、 運が良かった、運が良かったって言われた 医者が言うには、 吹きだまりに突っ込んだ衝撃で破れたんだろうというんだが、 不思議なことに首から上には打撲はない でも衝突の前に 鼓膜が破れてたなんて話を人にするつもりはない。 頭を打ったで片づけられそうだし、 職は失いたくない 病院には親やら職場の上司やらが来て大変だったが、 打撲だけなもんで、病院からはすぐに退院させられた。 鼓膜は破けたといっても、 完全に取れちゃったわけじゃないので、 放っておけばふさがってくるものらしい。 ふさがらなかったら、 再生手術しなければならないが、 幸い半年前の定期検診では、 ほとんど鼓膜はくっついていた 聴力検査をしても、 一般平均に比べても良い方だと言われた でも、自分ではまるで左耳をふさがれているみたいな感覚が続いていて、 左側から話しかけられるとなんだか聞き取りづらい まあ、聞き取りづらいってだけで、 余計なものが聞こえないっていうのは、 かえって都合がいいかもしれない 本当に、変なものはもうなんにも聞こえないんだ 職場にも復帰して、 今は以前の生活にほとんど戻った 入院費は保険でまかなえた。 レンタカー会社からの損害賠償は覚悟していた それが待っていてもなんの音沙汰もない。 車は壊れてなかったのだろうか? 壊れてないとしたら、 あの車は、またレンタルされるのかな? まあレンタカー会社だって保険に入ってるだろうし、 余計なことは言わない方がかえって良かったりするから、 黙っていることにする ただ、最近ちょっと気になったことがあった 新しい派遣の子に、 書類のコピーを頼みに行ったとき、 その子は妙な顔をしてきょろきょろしてる そして自分の方を見て 「○○さん(自分)の携帯鳴ってません?」 「??」 「おかしいなー。 今音が近づいてきたから、 てっきり携帯かと思って。 いい曲ですよね」 そんなことがあるわけがない。 冷や汗がどっと出て、 内耳から舌のつけ根にかけてキーンって痛くなった 「俺、耳悪いんだ。 なにも聞こえないよ?どんな曲?」 「ほら、あの、昔の映画の・・・」 彼女はハミングして見せたが、 それはあのメロディとは似ても似つかなかった 動揺したのも安堵したのも気づかれたくなくて、 なんとか早々にその場を離れた ほっとしたのもつかの間、 懇親会の2次会でカラオケに行った。 彼女は超がつくほどの音痴だった。 その後は彼女にできるだけ近づかないよう気をつけている また 「あれ?携帯鳴ってません?」 「ほら、あの曲!」 なんて言われようものなら、 「耳が痛い!」 なんて相手にうずくまれたら、 その場でパニックを起こしそうでものすごく怖い
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